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国交省「特定居住支援法人」モデル事業で実践、地域の新しい可能性を探る

New Topics 公開日:2026/07/28

働き方の多様化やライフスタイルの見直しを背景に、都市と地方を行き来しながら暮らす「二地域居住」への関心が高まっています。自己実現の手段としてだけでなく、都市から地方への新たな人の流れを生み出し、地域の担い手不足の解消や、多様な自然資本・文化資本を活かした地域経済の活性化、さらには災害時の避難先確保にもつながる取り組みとして、その社会的意義は年々大きくなっています。

一方で、この流れを実際の「暮らし」として定着させるには、いくつもの壁があります。いわゆる「ヨソモノ」という距離感とその地域特有の文化との適応や、地域コミュニティとの関係づくりには時間がかかるでしょうし、現地で「仕事」を通じた関わりを広げようにも、地域が求める人材ニーズと二地域居住者のスキルにズレが生じることも少なくありません。また、その地域が提供できるリソースやサービスと、居住者側が求めるものが噛み合わないケースもあります。受け入れる自治体側から見ると、二地域居住者を「どう地域に迎え入れ、どう担い手として関わってもらうか」という設計そのものが、新たな課題となっています。

「特定居住支援法人」という中間支援の仕組み
この課題を解決するカギとして注目されているのが、地域と二地域居住者の間に立ち、両者をコーディネートする中間支援組織です。令和6年の国会で成立した「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律」により、こうした役割を担う企業や団体を市区町村が指定する「特定居住支援法人」という制度が創設されました。

◾️国土交通省ウェブサイト「特定居住支援法人の指定等の手引き」https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/content/001769194.pdf

もっとも、特定居住支援法人に求められる役割や活動のあり方は地域によって多様で、どのような取り組みが効果的かのパターンやロールモデルは、まだ十分に蓄積されているとは言えません。そこで国土交通省は「特定居住支援法人モデル構築実証調査」を実施し、地方公共団体と連携して二地域居住等を促進するNPO法人や民間事業者等の先導的な取り組みを、モデル事例として調査・分析することとしました。

実際に1次公募では22の法人・団体が採択されており、そのアプローチは実にさまざま。首都圏企業と全国の自治体・地域企業をつなぐ「法人向け地域越境プログラム」の構築や、二地域に限らず、複数自治体を横断する「広域型」のモデルも。離島を拠点に、移住希望者の獲得から就労マッチング、なりわい創出までを一体的に支援する事例など、地域ニーズに寄り添いながら伴走するアプローチが特徴的です。

「人と地域をつなぐ仕組みづくり」の実装へ
エンジョイワークスはこの6月、大分県日出町(ひじまち)を対象地域とする取り組みでモデル事業の採択を受けました。ここは、人口約27,000人、大分空港から南に車で約25分、大分市・別府市に隣接する別府湾沿いの温暖な地域です。海と山に囲まれた自然環境と生活インフラが両立するコンパクトな町で、日本航空(JAL)との協力締結など、二地域居住の受け入れに積極的に取り組んでいます。

日出町は大分空港から車で約25分。海と山に囲まれた自然豊かな城下町で、サンリオのテーマパークも

私たちは同町の特定居住支援法人として、今回の実証調査を通じて、「スキル×地域課題対応表」「二地域居住者ニーズデータベース」「仕事切り出しマニュアル」といったツールを整備し、地域の中で多様な主体をつなぐ役割をどう担えるかを実証していきます。地域側の受け入れ体制強化と、二地域居住者側のニーズの見える化を両輪で進めていく計画です。

◾️国土交通省「全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム」ウェブサイトでの紹介
https://www.2chiiki.org/case/5687/

また日出町の隣に位置する別府市では、すでに私たちは今年、「TOJIHAUS PROJECT」として、二地域居住や中長期滞在の“受け皿”づくりを先行して進めています。別府市は源泉数・湧出量ともに日本一を誇る温泉都市でありながら、市内の宿泊施設の約9割は1〜2泊を前提としたホテル・旅館が中心で、湯治に適した中長期滞在向けの拠点は十分ではありませんでした。

一方で市内には12,000戸を超える空き家がある。TOJIHAUSは、この点在する空き家を「面的に」再生し、中長期滞在に特化した宿泊拠点として整備するプロジェクトです。2026年3月に1棟目が開業し、現在3棟目の開業準備中。これは国土交通省「空き家対策モデル事業」にも採択されており、「新湯治・ウェルネス」を掲げる別府市や、地元企業・地域金融機関・教育機関とも連携しながら、暮らすように泊まる、新しい滞在の在り方、関係人口の創出を図っています。

◾️TOJIHAUSウェブサイト https://tojihaus.jp/

大分県産の建材でリノベーションした宿や、目の前に温泉がある宿など、個性豊かな宿がそろう

日出町での特定居住支援法人としての「人と地域をつなぐ仕組みづくり」と、別府市での「滞在の受け皿となる場づくり」。エリアは隣接しながらもアプローチは異なりますが、いずれも「呼び込んだ人にどんな滞在体験、どんな暮らし方を提供できるか」という同じ問いがあります。私たちは、これらのモデル事業や実装を通して、多様な暮らし方や働き方を「地域の新しい可能性」につなげていきたいと考えています。

◼︎ニュースリリース:国土交通省のモデル事業「特定居住支援法人モデル構築実証調査」に採択されました
https://enjoyworks.jp/news/32873/

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