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色とりどりの花が、ひとつになる、「混ざり合う」みんなの食堂に

Feature Project 公開日:2026/09/15

大きな模造紙に貼られた、色とりどりの花。ひとつひとつ表情が違うのに、並ぶとどこか調和している――その様子は、鎌倉の街を彩る紫陽花にも似ていました。

7月に鎌倉市由比ガ浜で開かれた「(仮称)みんなの食堂」の仲間づくりワークショップ。参加者一人ひとりが持ち寄った花を、模造紙の上で少しずつ形にしていく「はじまりの花」づくりです。初めて顔を合わせる人も多いなか、隣り合った人と言葉を交わしながら、これから一緒に食堂をつくっていく仲間として、少しずつ距離を縮めていく時間になりました。

花づくりを通して言葉を交わし、これからの食堂をともにつくる仲間とのつながりを育みました

あらためて、「みんなの食堂」とは
(仮称)みんなの食堂は、鎌倉・由比ガ浜でこの秋オープンを予定している、シニアとダウン症のある若者が共に担い手となる食堂。ベースになっているのは、仙台発「ジーバーFOOD」が展開する、地域のシニアが主体となって食堂を運営する仕組み。エンジョイワークスは、ダウン症のある人たちの働く機会をひらいてきた一般社団法人IKKAとともに、構想段階からこのプロジェクトを進めてきました。全国で展開されている「ジーバー」はまさにシニアのみの運営ですが、私たちは、そこからもっと「地域の混ざり合い」を考えました。
◾️ジーバーFOODウェブサイト https://gbfood.gbaaa.jp/
◾️人生100年時代。シニアならではの経験値を「まちの力に変える」食堂(公開日:2025/04/07)
https://enjoyworks.jp/times/281/

食事を提供するだけの場ではなく、「働くこと」と「関わること」がゆるやかにつながる場を、日常の中につくっていく――それが、このプロジェクトが目指す姿。年齢や属性で役割を分けるのではなく、それぞれが持つ経験や個性を活かしながら、地域の中で関わり続けられる状態をどうつくるか。その問いに向き合いながら、シニアとダウン症の若者が「支える/支えられる」を超えて、ともに役割を持ち合う場をひらこうとしています。

募集から、関係が生まれるまで
開業に向けて4月に開催したキックオフイベントには約30名が参加。「通う側として関わりたい」「調理や接客の経験を活かしたい」——それぞれの立場から、この場に可能性を見出す声が集まりました。それを受けて5・6月には、実際に「担い手」として関わりたい人に向けた人材募集イベントを実施、これには延べ約60名が参加しました。話を聞くだけのつもりだった人が、回を重ねるうちに少しずつ具体的な一歩に近づいていく。そんな数カ月でした。これと並行して、「働く」「関わる」を希望する方25名との個別面談も実施。1人1時間、じっくりと時間をとって、それぞれがこの食堂にどう関わりたいかを聞いていきました。

参加者の思いや関わり方もそれぞれ。対話を重ねるなかで、この場所が生まれる意味を改めて考える時間となりました

仲間づくりワークショップ——理念に立ち戻って考える
そうして迎えた7月、仲間づくりワークショップには、約30名が参加しました。「好きな給食のメニューは?」といった気軽な話題から、「みんなの食堂をどんな場所にしていきたいか」という深い問いまで、それぞれが自分の言葉で語り合う時間になりました。

この食堂が掲げる理念は、「みんなの得意を活かし、それぞれの違いを認め、力を合わせ、まちに笑顔と元気を増やす」「誰もが『今日もいい一日だった』と自然と思える場所を作り、まちに届ける組合である」こと。ワークショップでは、この理念を一人ひとりが「じぶんごと」として噛み砕き、そのためにどんな行動をしていくべきか、たくさんのアイデアを出し合いました。年齢も、経験も、個性も違うメンバーが、それぞれの思いを打ち明け合いながら、同じ方向を見つけていく。冒頭の「はじまりの花」は、そんな時間の中で生まれたものです。一人ひとりが持ち寄った花を、隣の人と少しずつ重ねていく作業は簡単ではありませんが、だからこそ、譲り合ったり相談し合ったりする中で、自然と会話が生まれていました。まさに「ひとつの花」となる過程でした。

「どんな場所にしたいか」を語り合うなかで、お店の輪郭が徐々に浮かび上がってきました

これから——開業に向けて
7月末からは、実店舗の改修工事もスタートしました。場所は、由比ガ浜大通りの旧HOUSE YUIGAHAMA(エンジョイワークスのカフェ併設の旧オフィス)。これと合わせて、これまで参加者と一緒に育ててきた思いを、「かたち」にしていく段階に入りました。9月には、リノベーションを終えた店舗で「おしごと体験会」を実施する予定です。あわせて、IKKAが運営する旧村上邸(鎌倉市西御門)のダウンインターンへ、シニアの方が参加するイベントも予定しています。実際に働く現場に触れることで、食堂運営や「組合」という運営の仕組みへの理解を深めてもらうための機会を設けています。

キックオフから半年足らずで、延べ100名を超える方がこのプロジェクトに関わってくれました。当初は、「鎌倉のシニアのイメージ」を探るところから。なぜ、このまちで「みんなの食堂」なのか、「シニアのいきがい、地域との関わり方」など、多くの人たちと会話をしながら、まさにゼロからの一歩。この食堂がつくろうとしているのは、数字では測れない関係性です。花を一緒につくった時間、面談で交わした言葉、これから体験会で重ねていく時間——そのひとつひとつの積み重ねが、開業を迎える頃には、由比ガ浜のまちに新しい景色をつくっているはずです。

◎(仮称)みんなの食堂Instagram https://www.instagram.com/minnanoshokudou_kamakura/
*ワークショップや工事の様子などを随時発信しています
◎ 一般社団法人IKKAウェブサイト https://peraichi.com/landing_pages/view/ikka4ds

オープンに向け工事が進められています。どんな店舗になるのか…完成が楽しみです!

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