2025年7月、刺すような夏の日差しの中で、横須賀市田浦の月見台住宅は多くの人で賑わっていました。プレオープンイベントとして開催した「スターマーケット」。春ごろからDIYを始めてすでに開業していた店舗と、これから開業を控える入居者、そして地元の方々まで、約30店が軒を連ね、600名以上が足を運んでくださいました。当時、入居が決まっていたのは47戸のうちすでに40戸にのぼっていましたが、開業にはまだちょっと時間がかかっていた空き区画もあり、「これから」といった様相でした。そして秋のお月見イベント「月見祭」では1500名以上が来場、ようやくまちの全貌が見えてきました。田浦エリアが1年で一番賑わう梅のシーズンを経て、ちょうど開業1年になる店舗もいくつかあります。
◼︎「再生」の最前線。横須賀・月見台住宅で進む「なりわい」×空き家(公開日:2025/07/08)
https://enjoyworks.jp/times/198/
少しずつ、暮らしとなりわいの灯りが増えていった月見台住宅。住民ゼロから、なりわいのまちに。そのなかで向き合うべきことも見えてきました。まずは、「月見台」のお店を目指して来てくれる人への情報提供。案内表示が少なく、初めて訪れる方が迷ってしまう。長年の風雨で、住戸番号の表示が薄れてしまっている棟もありました。営業しているお店がすぐにわからない。平日は人出が。こうした声を耳にしながら、まちを「開いてみて」気づいた点はたくさんあります。

持ち歩ける地図は集会場で配布中。地図を片手に、探検気分でまち歩きを楽しめます
これらの一つひとつに、私たちは住民のみなさんと膝を突き合わせながら向き合ってきました。通りの名前があったほうがいいね、そんな会話から「SEABREEZE STREET(海風通り)」と「SUNSET STREET(夕日通り)」という名称が生まれました。単なる住所表示ではなく、暮らす人たちが自分たちのまちに愛着を込めて考えた、その土地の物語です。さらに、運営や暮らしのルールも手探りでアップデート。地味に思えるかもしれませんが、こうした積み重ねこそが、月見台らしい「協働のかたち」なのだと思います。
少しずつ、目印が生まれていく
そして直近では、目に見える変化が一気に形になりました。D棟の壁面に大型のマップを設置し、各戸のマグネット表示の運用も始まりました。入口の階段側面にもマップを掲示。海風通りと、夕日通りを結ぶ新しい階段も生まれ、まちの中を回遊できる人の流れが少しずつ育っています。薄れていた住戸番号の壁面表示も、この夏、鮮やかに復活しました。迷わず、開かれた入口からまちに入ってきていただける。そんな風景が、確実にかたちになってきています。

案内サインや新しい階段を整備。まちを歩いて楽しめる環境づくりに頭を凝らしているところ
開きながら、育っていくまちへ
これからの月見台住宅が目指すのは、「来てくださる方を増やす」ことと、「来てくださった方をなりわいのファンにする」ことの両輪です。前者はエンジョイワークス・グッドネイバーズ・横須賀市が中心となって担い、後者はまさに「みんな」で、日々の営みを重ねながら多角的に発信していく。今年の秋には、周年祭「月見祭」の開催も予定しています。軍港文化やインバウンドといった、横須賀ならではの歴史とこれからをつなぐコンテンツを、住民のみなさんと一緒に育てていく予定です。
◾️月見台住宅*Instagram https://www.instagram.com/tsukimidai_yokosuka/

公式Instagramでは入居者インタビューをスタート。魅力的な住民のみなさんとの出会いも、このまちの楽しみのひとつ
月見台住宅は、完成を目指すまちではありません。住民と対話を重ねながら、一つひとつの声をかたちにし、少しずつ、しかし確実にひらかれていくまちです。「VINTAGE & CREATIVE」というコンセプトの通り、古いものを大切にしながら、新しい風を呼び込んでいく。この1年で積み重ねてきた歩みを力に、これからも一緒に、「みんな」でまちを育てていきましょう。
◼︎月見台住宅*ウェブサイト https://tsukimidai.com/