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投資家がネットワークになる。「関わり続ける」仕掛けが、プロジェクトを育てる

Column 公開日:2026/05/26

不動産クラウドファンディングが一般的になってから、もうすぐ10年が経とうとしています。2017年に不動産特定共同事業法(不特法)が改正され、一般投資家がスマホやパソコンから簡単に、かつ少額から投資できる環境が整いました。私たちエンジョイワークスが運営する「ハロー! RENOVATION(ハロリノ)」がローンチしたのも、そのタイミングでした。

いま、世にある「不動産クラファン」と言われる大多数は、投資→運用期間中の配当→元本償還という一本道のもの。投資家は金銭的なリターンを得る対象であり、物件との関係は金銭的・一方向的に完結していて、ある意味シンプルです。一方でハロリノは、当初からこれとは大きく異なる設計をしていました。それが「関わり続ける仕掛けづくり」です。そのひとつが、「投資家特典」という仕組みです。(不動産クラファンではない、いわゆる購入型クラウドファンディングでよくある)「応援へのお礼」とは少し異なります。それは、投資家を「金銭的なカウンターパート」から「プロジェクトの参加者」へと転換する、構造化された関わりの仕掛けなのです。

投資家特典という「関わり続ける仕掛け」
実際にハロリノが提供してきた投資家特典を見ていくと、その多様性が際立ちます。
【宿泊特典】
葉山の旧東伏見宮葉山別邸、京都のUNKNOWN KYOTO、紀の川のMIKASAKAN、全国各地の泊まれる蔵「The Bath & Bed」、三豊のURASHIMA VILLAGE、淡路島のSAUN9NE、宮古島の島づくりファンド、明日香村の古民家ステイ、鎌倉のプライベートホテル、仙台秋保のサウナコテージ、富山内川での番屋再生など——「宿への再生」のプロジェクトでは、宿泊無料や割引などの特典を付けています。投資家は現地に足を運び、その場所で過ごす時間を重ねることで、金銭的なリターンでは得られない「その地域への実感」を得ていきます。
【ものを通じた認知の波及】
月見台では「よこすか海軍カレーのオリジナルパッケージ」。葉山の旧東伏見宮葉山別邸では「げんべいビーチサンダル」。京都のUNKNOWN KYOTOでは「会員専用大ジョッキ」。富山の内川番屋再生では「海鮮ひもの詰め合わせ」。宮古島の「持続可能な島づくりファンド」では「宮古島産マンゴー」というように。これらは投資家が受け取り、使い、人に贈る過程で、その地域への「認知」が自然と波及していくように設計されています。
【体験がもたらす記憶と共有】
月見台では共用部の壁塗りや土間づくりのDIYワークショップ。紀の川では粉河祭へのだんじり参加。京都ではエリアツアーや店舗見学。淡路島のSAUN9NEでは、サウナを通じた「癒し」の体験そのものが、その場所への関わりを深めます。The Bath & Bedでは「現地事業者による里山サイクリングツアー」というものもありました。
【記念化・参加の記録】
葉山の別邸では、建物改修後のレセプションへの招待や、投資家の「芳名板」の作成も行いました。これは、投資家が「単なる利用者」ではなく、「プロジェクトの歴史の一部」として記録される体験です。写真撮影サービスやメモリアル記録も、その場所への関わりを「形に残す」ことで、関係性の深さを物理的に刻み込んでいくのです。

投資家特典で「泊まれる」宿たち。ファンドを通して、旅先が新たにできる…!

直近では先週、月見台の投資家特典で「横須賀市遺産ツアー」を実施しました。市の学芸員さんにガイドしていただき、国内では希少な煉瓦積み(フランス積み)ドライドックである「浦賀ドック」のほか浦賀の渡し、大正時代の商家と石蔵(国登録有形文化財)などを辿りました。参加した投資家さんからは、「(地元で)身近にある建物の貴重さや尊さがわかった」「はじめて浦賀に来て、まちなかに蔵があると知れて得した気分」「こういった見学を通して、古い家が減るのは寂しい、実家を残したいと言う気持ちが強くなった」「建物を後世に繋げるように活用することの意義を感じた」などの感想がありました。このツアーは(横須賀市内で事業進行中の)月見台のプロジェクトでの特典ではあるのですが、「投資先の地域を知る、関心を広げる」「気づきを学びとして持ち帰ってもらう」といった“副産物”も。私たちにとっても、投資家さんとのツアーは、こうした生の声を聞ける貴重なコミュニケーションの場となりました。

このまちの歴史や文化に触れることで、月見台以外にも足をのばすきっかけに

構造化された「人の流入」と「関心の波及」
ここで気づくことがあります。これらの特典は、一見すると全く異なる内容で「宿泊」「体験」「もの」「人との関わり」「参加」「サポート」——カテゴリーは多種多様です。しかし、すべてに貫かれている共通の目的があります。それは、投資家をその場所や地域に何度も呼び戻し、プロジェクトとの関わりを継続させるということ。宿泊で足を運んでもらい、DIYを通じて「場をつくる側」へと関係性を深め、特産品を通じて「伝播者」になってもらう。体験と物とイベントが、段階的に、多層的に、投資家の関わりを深いものへと変えていくのです。その過程で、投資家は「金銭的なリターンを待つ人」から「プロジェクトを育てる人」へ、そして「地域の一部」へと、立場を転換していくと私たちは考えています。

投資家がDIYで壁を塗っている様子をSNSなどで発信することもあるでしょう。ツアーで地域の歴史を学んだ投資家は、友人に「こういうプロジェクトがある」と語ります。特産品を受け取った投資家は、それを誰かに贈り、その場所の存在を広めます。つまり、特典を通じた関わりは、自然と、投資家を「プロジェクトの応援者」から「プロジェクトの伝播者」へと転換するのです。金銭的なリターンだけでは、人はプロジェクトを誰かに勧めたりはしません。ですが、「自分が関わった場所」「自分が経験した場所」であれば、自然と伝えたくなる。その「人の流入の仕掛け」を、最初からプロジェクト設計に組み込んでいるのが、ハロリノの投資家特典なのです。

オリジナルビーチサンダル(右上)は、葉山の人気店「げんべい」で制作、オリジナルイラストの入った「よこすか海軍カレー」(下中央)は地元事業者に協力で

なぜ「じぶんごと」が必要なのか
通常の不動産クラファンでは、投資家と物件の関係は「配当」で完結しており、投資家がプロジェクトの成長過程には関わることはありません。一方で、ハロリノが投資家を「参加者」に転換する理由はシンプルです。投資家が参加者になることで、プロジェクトの周りに、自然と「関わり続ける人々のネットワーク」が形成されるからです。

そのネットワークは、資金よりも強い力を持っています。新たな利用者を呼び寄せ、事業者を呼び寄せ、やがてプロジェクトを支え続ける。つまり、投資家特典の仕掛けは、単なる「お礼」ではなく、プロジェクトの持続可能性そのものを設計しているのです。投資家を「プロジェクトの参加者」「地域の一部」として組み込む。その構造こそが、ハロリノが他の不動産クラファンと根本的に異なる理由であり、有機的で底力のある成長を生み出している。そして、この過程で私たちやプロジェクトの事業者が主体となり、投資家とコミュニケーションを深めていく。そんな「顔の見える」「立体的」な構造が、より深度のある地域活性につながっていくと考えています。

◼️ハロー! RENOVATION ウェブサイト https://hello-renovation.jp/
◼️ハロー! RENOVATION Instagram(進行中プロジェクトの「今」を定期的に発信しています!)https://www.instagram.com/hello_renovation/

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