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【民泊トレンド2026】訪日客4,000万人なのに稼働率45%。その矛盾を解く「空き家×民泊」という選択肢

Feature Project 公開日:2026/05/05

日本で「民泊」という言葉が広まり始めたのはいつからでしょうか。2011年にAirbnb(エアビー)Japanが設立され、14年末に全国でまだ4,000件程度だった民泊物件は、2015年以降、インバウンドの影響もあり急速に増加しました。18年6月に民泊新法が施行された後の遵法化や、コロナ禍によって一時的に「冬の時代」はあったものの、22年以降は回復期、大きな転換期を迎えています。そしていま。かつては「新しいビジネスチャンス」と呼ばれた民泊市場は、この10年で「成長期」から「淘汰・再編期」へと明確にシフトしているのです。この変化の中で、「選ばれる民泊」を生み出すにはどんなチャレンジが必要なのでしょうか。昨今の「トレンド」から読み解いてみましょう。

トレンド①:インバウンド最高潮、しかし民泊市場は「選別期」へ
2026年、日本のインバウンド市場は過去最高を更新し続けています。訪日外国人観光客は4,000万人を突破し、政府の「2030年までに6,000万人」という目標も現実味を帯びてきました。しかし、ここに大きな矛盾が生じています。インバウンド需要が増えているのに、民泊の平均稼働率は45%程度に留まっているのです。この差は何を意味するのか。簡潔に言えば、民泊市場が「成長期」から「淘汰・再編期」へ移行したということ。観光庁のデータによると、民泊の届出件数は57,512件に達していますが、廃止件数は20,661件。廃業率は実に約36%という数字。つまり、市場全体は拡大しているように見えても、個別の施設では競争が激化し、採算が取れない物件から次々と撤退が続いているのです。

トレンド②:廃業理由から見える「従来型民泊ビジネスの限界」
廃業に追い込まれた事業者の多くに共通した課題があります。ひとつめは初期投資の過大化です。「安い中古物件を買えば、民泊ビジネスは成立する」という発想で参入した事業者の多くが、民泊対応のための改修工事に数100万単位の費用が必要なことに気づきます。次に稼働率の伸び悩みという課題も。エリアによっては周辺に同業者(民泊)が増え、予約が集中せず、季節変動も大きいため、安定した収益にならないという事態に。そして、運営コストという課題は常につきまといます。清掃費、リネン代、管理業務委託費といった日々の運営負担が想定より高くついてしまう実態があるのです。これらの課題は、個々の事業者の力だけでは解決しにくいのです。

トレンド③:新しい需要の出現—「中長期滞在」と「ワーケーション」の時代へ
一方で、2026年に注目すべき大きなトレンドが生まれています。それが「中長期滞在」と「ワーケーション」の急速な拡大です。従来のインバウンド需要は「観光地 → 1泊で立ち去る」というパターンが大多数でした。しかし、これからは異なります。1週間以上の滞在やリモートワークしながら地域を体験するという形態が増えています。自然景観を求め、静寂の中で過ごしたい、地元の食文化に深く触れたいというニーズが、特に自然豊かな地方へ流れ始めているのです。地方の観光地や温泉地、中小都市での民泊需要は、これからが「本命」になる可能性を秘めています。インバウンド分散受け入れが政策的にも求められる中、従来型の大都市集約型から「地方への質の高い受け入れ」へのシフトは確実なのです。

なぜ従来型民泊は「地方チャンス」を活かせないのか
ここまでの整理をしてみると、矛盾が見えてきます。需要側では地方での長期滞在やワーケーション需要が急速に拡大しているのに対し、供給側では従来型民泊が大都市に集中し、かつ競争過多で採算が取れていない。では、なぜこのチャンスを活かせていないのか。新しい民泊ビジネスモデルとして「空き家からの転用」に注目する事業者は増えていますが、実行に踏み切った例はまだ少数派です。

理由は明確です。ひとつは法令判断の複雑さ。民泊新法、旅館業法、特区民泊など複数の制度があり、物件や地域ごとに「どの制度で進めるべきか」が異なるのです。次に、初期投資の見立ての不確実性があります。立地評価や収支予測などの精度が低いという現状。そして運営ノウハウの蓄積不足も無視できません。法令対応、ゲスト管理、運営コスト削減の方法が標準化されていないのです。つまり、「空き家を民泊に転用する」という発想は出ていても、それを「実行可能で、採算の取れるビジネスモデル」に落とし込む仕組みがなかったということなのです。

全国に約900万戸存在する空き家。従来、これらは「売却困難、放置困難」という課題の中に置かれてきました。その中で、空き家×民泊というビジネスモデルは、発想の転換とDXがカギとなりそうです。まず初期投資の効率化によって、新築物件や高額な改修が必要な物件とは異なるという見込みは間違いではなく、既存の建築骨格を活かしながら民泊要件を満たす設計を行えば、投資コストを3~5割削減できるケースが多くあります。そして、立地戦略にも逆転の発想があります。「新しい民泊物件」は競争が激しい大都市部に集中しがち。一方、空き家は地方観光地や温泉地、中小都市に眠っていることが多いのです。政府が2030年までに訪日外客6,000万人を目指す中で、主要都市だけでなく地方への分散型受け入れが不可欠になります。そこに手を付けられていない「隠れた穴場」を発掘できるのが、空き家活用のもう一つの強みなのです。

そして社会的意義との両立も見逃せません。放置された空き家を活用することで、負動産化を防ぎ、地域の景観を守り、雇用機会を創出し、観光客受け入れの基盤を強化することができる。これは単なるビジネス利益を超えた、地域活性化への貢献となるのです。

判断支援DX「アキレボ」による標準化
しかし、空き家×民泊というアプローチが成功するには、もう一つ重要な要素があります。それが、意思決定の標準化です。開業と運営を個人の「勘と経験」に頼るのではなく、法令対応の自動判断、収支分析の精密化、ゲスト管理の体系化を一元化した体制を整えることが不可欠なのです。

こうした課題を解決するために、エンジョイワークスが打ち出しているのが、判断支援DX「AKIYA Revolution(アキレボ)」を中心とした、空き家×民泊事業の仕組みです。アキレボは、物件情報を入力することで、複数の判断軸を自動的に可視化します。まず法令対応の自動判断。民泊新法で進めるべきか、旅館業法対応が必要か、特区民泊の対象となるのか。物件情報から最適な制度を自動提案することで、判断ミスを防ぎます。次に収支分析の高精度化も。人流データや周辺稼働率分布から、この物件が期待できる稼働率を算出します。初期投資、月間運営コスト、想定売上を入力すれば、年間利益と投資回収期間が見えるようになります。

AKIYA Revolution(アキレボ)に関するリリース
https://enjoyworks.jp/news/32442/

そしてこのデータの裏付けになるのが、湘南エリアを中心に施設の開業や運営を手がけているグッドネイバーズが積み上げてきた生のデータです。単なる理論ではなく、実際の運営経験に基づいた数字だからこそ、予測精度が高いのです。それらのアプローチにより、「判断の透明化」「リスク低減」「実行速度の向上」が同時に実現されるのです。

実際に地域の空き家再生の現場で形にしてきたからこそのアプローチ。写真上段は改装中の様子、下段はリノベーション後の「料理を楽しむ宿」として開業した横須賀市秋谷の宿泊施設

「選ばれる民泊」の条件
整理すると、2026年の民泊市場で「選ばれる施設」になるには、いくつかの条件があります。まず立地戦略です。地方観光地や温泉地、中小都市など、新しい需要地に立地することが重要です。次に低投資・高効率の実現で、初期投資を抑え、運営コストを最適化することが必要になります。そして意思決定の質です。法令対応、収支分析、ゲスト管理を標準化することで、ぶれない経営判断ができるようになります。最後に社会的価値として、地域活性化に貢献する事業であることが求められるのです。空き家×民泊というアプローチは、これらすべてを同時に実現できる、新しい民泊ビジネスモデルなのです。

【無料オンラインセミナー開催】
インバウンド需要は確実に増えています。しかし、その増え方は均等ではありません。長期滞在やワーケーション層の増加により、「どこに泊まるか」ではなく「どんな体験ができるか」という視点で宿泊地を選ぶ旅行者が増えています。自然豊かな地方、温泉地、文化的な魅力を持つ中小都市への関心が高まっているいま、空き家を活かす最大のチャンスが目の前に広がっています。

本セミナーでは、エンジョイワークスが開発した「AKIYA Revolution(アキレボ)」の活用法、実例から学ぶ空き家×民泊の可能性、そして「選ばれる民泊」を生み出すために必要な戦略をお伝えします。
開催日時:5月15日(金) 18:00-19:15/25日(月)18:00-19:15
参加無料、申し込みされた方にZoomURLを返信します

AKIYA Revolutionウェブサイト(セミナー詳細)
https://akiya-revolution.jp/fc2/

別荘を宿泊施設に。こちらは鎌倉の七里ヶ浜にある「SEA WINDOW」

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