「まちづくり」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? 新しい建物を建てたり、道路を整備したりといった、目に見える変化を想像するかもしれません。しかし、本当に豊かな「まちづくり」とは、そこに暮らす人々が、自身の生活と町の未来を「自分ごと」として捉え、共に考え、愛着を育んでいくプロセスにほかなりません。それは、特定の地域に限らず、どのまちにも共通する普遍的な視点です。日々の暮らしの中で、あたりまえのように享受している風景やインフラ、そしてそこに息づく文化。しかし、その「あたりまえ」の裏側には、見過ごされがちな地域のルールや、将来に影響を与えるかもしれない変化の兆しが隠されています。
エンジョイワークスの社員も多く暮らしている葉山町。海と緑に近く、避暑地や別荘地としてのイメージがあって、不動産関連のウェブサイトで「住みたい(住み続けたい)町ランキング」とか「街の幸福度ランキング」などで上位になることも少なくありません。不便過ぎない“ほどよい立地”で、海辺の開放感と別荘文化に象徴される奥ゆかしさのあるまち。こうしたことから子育て世代の方やリタイア世代の移住も増えています。魅力にあふれた町だと客観的には感じられますが、一度立ち止まって、「これまで」と「これから」の葉山について考えてみるのも大切かもしれません。
少し内陸(東側)に行けば、緑に囲まれた住宅街。そして海に近い暮らし。時間の流れがちょっとゆるやか…な葉山
「まちとくらしのトリセツ」。葉山の美しい景観をどう守られてきたのか? 古くからの小径(こみち)が失われつつあるのはなぜ? 私たちが使う水の源はどこにあるのか? 町内にある空き家の現状は? 知らないうちにお隣が民泊を始めたら?……日々の葉山の暮らしに密接に関わる、しかし普段は意識しないような、「まちの根幹に関わる問い」。これを、町民の方々や“まちづくり”に関わる人などと一緒に掘り下げる講座を企画しました。だから「トリセツ」。毎月1回の開催で、ひとつのテーマをもとに、葉山の“まちのルール”やその背景を、エンジョイワークスの建築設計・不動産営業部の担当者や、内容によっては造詣の深い町民の方にも登壇いただだきながら、事例とともに紐解いていきます。
人との距離が近すぎず遠すぎず。それも葉山のカルチャーかも。まちあるきにこんな洋館に出会うことも(写真右)
葉山をより深く理解し、未来へと繋ぐ「当事者」としての意識を高める全6回。この講座で扱うテーマは多岐にわたりますが、その未来に主体的に関わっていくための「羅針盤」としてもらうのが狙い。単なる「住民」から「当事者」へと意識を少しずつ変えていくことで、この町への愛情がもっと深まっていく。そんなきっかけになればと願っています。
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■まちとくらしのトリセツ
6/28(土)…葉山の景観はどう守られてきた?この先どう守っていく?
まちの歴史やルール、住民の意識が育んできた葉山の景観。その背景を知り、守るには何ができるのかを考えます
7/26(土)…葉山の“こみち”がなくなる日が来てしまう…?
魅力でもある葉山の「こみち」。一方で、車の誤侵入や法的な課題も。これからの“こみちのあり方”を考えます
8/23(土)…意外と知らない、葉山の水の話
上下水道の整備やしくみから、自然水系や海の水まで。水と暮らしのつながりを知り、葉山の環境課題を見つめ直します
9/27(土)…明日ウチ相続になるって…意外とヒトゴトじゃないも
突然やってくる相続。不動産を活かす方法、良い形で引き継ぐ方法や、備えのコツなど事例を交えて考えます
10/25(土)…もしもお隣さんが民泊を始めたら…?
民泊が増える今、禁止はできる?トラブルは? 始める側・暮らす側、両方の視点でルールやリアルを学びます。
11/19(土)…どうなる?遊休となっている町有不動産の活用を考える
実は身近にたくさんある町の公共施設。今どう使われていて、どんな活かし方があるのか。可能性を探ります
*毎月第4土曜日、午後1時から平野邸Hayamaで開催します。参加無料
イベント詳細ウェブサイト
https://enjoystyles.jp/index.php?c=news&id=592
■平野邸Hayama
神奈川県三浦郡葉山町堀内1833(JR逗子駅、京急逗子・葉山駅からバス、向原下車すぐ)
2025/06/16
2025/06/16