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注目度NO.1、富山をインサイト! 湘南発のノウハウとアイデアが浸透中

Feature Project 公開日:2025/02/04

きときと。「新鮮な」という富山の方言だそう。北アルプスからの雪解け水が豊富で、きれいな水とおいしいお米が自慢、 “天然のいけす”ともいわれる富山湾では、ホタルイカやブリ、ベニズワイガニ、ノドグロなどなど深海魚から沿岸魚まで豊富な海産物を楽しめます。なぜ富山の話か?というと、いま、さまざまな方角から「富山推し」のムーブメントが湧いているから。先日、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」が発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれるなど、ちょっと話題のエリア。旅先としてだけでなく、「住むまち」としても、人気が上昇中なのです。

「コンパクトシティ」先進実践例のまち

北陸新幹線で東京から2時間、飛行機なら1時間ちょっととアクセスの手段もいくつかあり、「意外と首都圏から近い」と言われる富山県。持ち家率や道路整備率、火災発生件数の少なさなどが全国上位で、地震が少なく「住み続けたい町」という表現もされています。なぜ「住みやすい」と言われているのかというと、農水産業も盛んで、北アルプスの自然と都市のバランスが良いことにあるのかもしれません。特に、富山市は交通が便利で渋滞が少ないというのも大きなポイント。「車がなくても暮らせる都市」を目指していて、「コンパクトシティ*」の実践・先進事例として挙げられることが多く、LRT(次世代型路面電車)の導入も話題になりました。
*住宅・商業施設・公共施設・医療機関・教育機関などを都市の中心部に集め、それに伴う公共交通機関を整備すること。住民の利便性向上による転入率の増加、中心部の人口増加、移動手段の変化によるCO2削減などの効果もあるとして注目されているまちづくりの手法

「ガラスの街とやま」の象徴的なスポット、富山市ガラス美術館(写真左)、市内交通の要・富山ライトレール(LRT)

そんな富山市で“湘南発”の私たちが手掛けているのは、エンジョイヴィレッジ。鎌倉や葉山で約10年間展開してきた「塀のない分譲プロジェクト」です。規格住宅の「THE SKELETON HOUSE(スケルトンハウス)」を配置した「ハーブガーデンヴィレッジ」。敷地内の4棟の間に、塀ではなくて、大きなウッドデッキと芝のアプローチが広がる「新しい分譲スタイル」として注目いただいています。グッドデザイン賞受賞の「スケルトンハウス」とそれに設置する屋根一体型の太陽光パネルは、ともに富山県内で初の施工。初めて尽くし…ですが、「住みやすい・住み続けたい町」にピッタリの住宅。「ヴィレッジ」の思想やカルチャーを知ってもらうべく、販売チームが奔走しているところです。
https://tajima.enjoy-village.com/

婦中町の「ハーブガーデンヴィレッジ」。湘南で積み上げた“塀のない”分譲計画プロジェクトで富山に初進出

地域のポテンシャルと資源を発信!私たちにできること。

この分譲が富山での私たちの初めての事業…ではありません。実は、県南東部の立山町で2023年に、私たちが手掛ける「泊まれる蔵」The Bath & Bed Tateyamaを開業しています。活用されていない蔵を宿泊施設にする全国プロジェクトで、第1号となった葉山に続いてこれが2例目。日本独自の建物文化「蔵」を活かして、宿泊体験と地域観光を楽しんでもらおうというもの。さらには、この隣にある大きな古民家の再生事業(土肥邸母屋)にもコンセプトづくりやリノベーション設計で協力。私たちが湘南で積み上げてきた地域拠点づくりのノウハウを、地元の事業者にも共有しながら横展開させています。

BBT(The Bath & Bed team)ウェブサイト https://bathandbed.team/
【土肥邸母屋メルマガ記事】「平野邸Hayamaみたいな場所を作りたい」――立山に誕生、地域交流拠点「土肥邸母屋」のストーリー
https://enjoyworks.jp/times/093/

写真左は、未利用の蔵を活用した宿泊施設「The Bath & Bed Tateyama」、右は地域拠点として再生した「土肥邸母屋」

そして、富山湾の西側、射水市。海運と漁業で栄えた新湊の内川エリアは「日本のベニス」と言われる運河があります。戦前からのノスタルジックな湊町風景が残っていて、その景色はもちろん、当時の建物を活かした個性的な店も増えています。そんなこの町で「稼げる観光」「関係人口の拡大」などによる地域経済の好循環を生み出すために、市は昨年、「内川未来戦略会議」を立ち上げました。地元の観光協会会長を座長に、市長をはじめ富山で既にまちづくりや観光発信の活動している方や有識者、事業者が集まっていて、エンジョイワークスの福田も委員として参加しています。地域の価値を上げるエリアマネジメントやプレイヤーの掘り起こし、地域のファンづくり…そんな領域で、一緒に学びながら考えているところ。私たちの「まちづくり」のノウハウを全国へ。着々と、地道に広げています。

内川戦略会議/射水市ウェブサイト
https://www.city.imizu.toyama.jp/event-topics/svTopiDtl.aspx?servno=29333

空が広く、水もきれい。運河や街の全景も絵になる富山の町

この町で新しいチャレンジをする事業者とタッグを組んだプロジェクトもスタートしています。合同会社ひと・いきの赤間遼太さんが手掛ける宿泊複合施設「AKAMA富山」。内川の空き物件の再生を通して、場の運営だけでなく、地域への根付き方や巻き込み方を実践していく取り組みです。赤間さんご本人も偶然が重なって惚れこんだこの町での挑戦。ファンドによる資金調達ももちろんですが、地域の魅力を引き出す物件再生とは? 地域の関係人口を増やすには? そんな課題の‟出口”を私たちエンジョイワークスも、一緒に考えながら走っています。

【「AKAMA富山」を立ち上げる赤間遼太さんインタビュー】学生時代の飲食店経営に防災研究、そして空き家問題への気づき。 学びや出会いがつなげた「まちづくり」とは/合同会社ひと・いき 赤間遼太さんインタビュー<前編>
https://enjoyworks.jp/times/128/

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「ニューヨーク・タイムズ」での富山に関するピックアップは、多くの人が意外性を感じたかもしれませんが、むしろ、外からの目線が大きな刺激になることも多くあります。その地域の人たちは地元の良さを再発見する、そして、地域外の人たちは、日本に眠るたくさんのポテンシャルに気付きを得る。次のアクションは、そんな人々をつなげること。私たちの手掛ける富山のこれらのプロジェクトが、「地方都市」での出会いと創造、発信に広がるといいなと思っています。

【イベント開催!】
建築フォーラム/100年後のイエを考える―住道楽・富山のこれからの住まいとは
2月22日(土)16:00~18:00
富山市ガラス美術館(2階 Cafe小馬キラリ店)
テーマ:富山の「100年後の住まい」って、どうなっているのだろう?
<モデレーター>
福田和則(株式会社エンジョイワークス)
<パネリスト>
水野桂子(建築士/水野建築研究所共同代表/住宅医)
種昻哲(建築士/studioSHUWARI代表)
加藤則子(作家/金沢科学技術大学校講師/裏千家茶道「お茶ごっこ」主宰)
明石博之(場ヅクル・プロデューサー/社会起業家/グリーンノートレーベル株式会社代表取締役)

参加無料、申し込み詳細こちら

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