不動産や建設事業者が、現在の事業領域のまま成長することはできるのか――? その答えは少しNO。もちろん、維持はできるけれど、何もしないで拡大成長していくのは難しく、コミュニティを育む賃貸事業や空き家再生、新規事業のプロデュース、地域拠点の創出…など、従来の取り組み領域にとらわれず、挑戦している事業者も増えています。
私たちエンジョイワークスも「領域拡大」している当事者。スタートは不動産仲介。そこから規格住宅の販売(THE SKELETON HOUSE)や、新たなスタイルの分譲開発(ENJOY VILLAGE)、空き家再生や場の創出、宿泊施設の運営からファンドの運営など、地域のニーズや不動産業だからできる視点(こと)を地道にやっていたら、「不動産業」の領域が広がっていました。そこでこれらの経験とネットワークを還元すべく、2022年に立ち上げたのが、「#新しい不動産業研究所」。不動産や建築事業者が、事業の領域拡大+アップデートするために集い、知見やノウハウを高め合う場所です。
#新しい不動産業研究所所長の矢部智仁さんのインタビュー
https://enjoyworks.jp/times/076/
研究所スタートから2年、会員企業は全国に。「#新しい不動産業」となるビジネスモデルやサービスを提供できる方、これらを利用して自らの事業をアップデートしようとする方が集まっています。具体的には、宅建業(宅地建物取引業者・賃貸管理業者)、建設業(建設業登録者)、建築設計事務所(建築士事務所登録者)、まちづくり会社、中間支援組織、不動産オーナー・大家さんなど。つまりは「不動産を通じた新たな取り組みに関心がある企業」。会員企業の取り組み事例や、新しい展開をしている企業を紹介する「分科会」のほかに、現地に赴いて事例を見学する「視察ツアー」も用意しています。
この夏、私たちが企画した視察先は富山。題して「高岡・新湊・井波・立山 大横断視察ツアー」。いま、地方に面白い事例が増えていて、富山では#新しい不動産業研究所の会員企業やエンジョイワークスが関わるプロジェクトがいくつか始動する、ちょうどいいタイミングでした。当日のプログラムを少し紹介。まず、初日に向かったのは県南西部、南砺市にある井波。「アキヤラボ」という団体を運営する不動産事業者の小西正明さんのもとへ。「空き家という資源にこそ、まちの未来が、宝が隠れている」と話す小西さんの実践の数々を教えていただきました。続いて、足を伸ばしたのは富山市の婦中町。こちらはエンジョイワークスが手掛ける「エンジョイヴィレッジ」の現場。新築分譲住宅4棟を投資対象として、新築住宅を購入希望者に売却し、利益を投資家に配当するファンドについて解説しました。この日の最後は、地元の製薬会社の前田薬品工業が立山町で展開する「ヘルジアン・ウッド」へ。健康をテーマにした「村」にある古い蔵をリノベーションした宿泊施設「The Bath and Bed Tateyama」や築130年以上の古民家を改修してプレ開業したばかりの「土肥邸母屋」を訪ねて、その「場」への思いを聞きました。
翌日は富山湾沿い、射水市の新湊へ。運河があり海運と漁業で栄えた町です。そこでスタートする移住者による空き家再生プロジェクトについて事業者、合同会社ひと・いきの赤間遼太さんに案内していただきました。新湊で次々と始まる地域主体のまちづくりの動きやエリアの魅力など、赤間さんに加えて移住者の明石博之さんが解説。射水市の担当者も参加されました。続いては、商店街の空き店舗をホテルにして既存店舗とつなげる取り組み「SEKAI HOTEL高岡」。フロントは旧書店。「まち全体がホテル」という注目のコンセプトを深掘りしました。最後は、会員企業の塩谷建設へ。同社が手掛ける社内人材教育システムや地域人材育成への地域企業の取り組みを紹介してもらいました。
1泊2日、なかなか盛りだくさんの横断ツアー、夏の富山の食を堪能しながら、会員企業同士が交流しながら…今、富山で何を起きているのか、その目で確かめる絶好の機会となったようです。分科会は基本的にオンラインなのですが、やはりリアルで人と会う、話を聞く、実際に取り組みを見る――のは大きな刺激ですし、自社展開のイメージもしやすいでしょう。今後もこんな「リアル」を体験できるツアーを企画していく予定。会員企業だけでなく、地方のさまざまな活性化の芽や実に直接つながれる機会も用意しています。そんな「#新しい不動産業研究所」。自社の「領域拡大」に「ネットワークづくり」に。ぜひ活用していただけると嬉しいです。
ツアーで紹介した事業者の声は、エンジョイワークスInstagramで公開中
https://www.instagram.com/enjoyworks_life/
#新しい不動産業研究所分科会紹介ページ
https://atarashi-fudousan.jp/properties/170