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「自分の町にエンジョイヴィレッジをつくる」――地方の事業者が共感したコミュニティ醸成型分譲と事業応援のカタチとは?

Feature Project 公開日:2024.09.17

エンジョイワークスが2014年から手掛けている「エンジョイヴィレッジ」。塀がなく、庭やデッキ、サウナなどを共有する2棟以上の“集落”のような形で、住民が自然とコミュニティを形成できるように工夫しているのが大きな特徴です。湘南エリアでは、約20のヴィレッジがあり、「新しい土地活用・分譲スタイル」と視察や取材などでも注目されてきました。私たちはこれまで、「住む側」へのアプローチを続けてきましたが、地方の事業者が「うちの地元でできないか?」と、関心を持って視察に訪れるケースも増えています。実際に、湘南から遠く離れた場所で、「ヴィレッジ」が生まれ始めています。

エンジョイヴィレッジウェブサイト
https://enjoy-village.com/

エンジョイヴィレッジのコンセプトには自信を持っている私たちですが、他の事業者から見て、「エンジョイヴィレッジのどこに共感したのか?」「事業として、どこが“光った”のか?」―を客観的に聞いてみたい。そこで、私たちが運営する「新しい不動産業研究所」オンラインイベントで登壇したエンジョイヴィレッジの事業者、木楽ホーム代表・島田直政さんの声から、この事業の“ポテンシャル”と事業者側の期待感をまとめました。(記事構成:ENJOYWORKS TIMES 佐藤朋子)

工務店から分譲事業へ、そこで得た島田さんの「気付き」

僕たちの拠点は長野県の東御(とうみ)市です。もともと家業で材木を扱っていて、工務店として、「建てる仕事」が僕らの領域でしたが、ある案件で物件の周りの土地を購入することになり、分譲事業を始めました。実は、当初はそこまで積極的ではなかったのですが、分譲を展開する中でこう思ったのです。「自分が売った区画に住む人たちは、将来同じ環境を持つことになる訳で、隣同士が楽しく助け合う関係性を持てる『まち』的なものを作りたい」と。分譲に関しては後発ですから、既存の事業者と競合するリスクはあるだろうけど、「自分たちの手法で、購入者の幸せを提供できるのなら」。事業者として、分譲事業への参入は大きな決断でした。

そんなタイミングで出会ったのが、「エンジョイヴィレッジ」でした。「神奈川に今までと違う切り口の分譲がある」と聞いて、視察に行きました。ちょうど「3~4戸の分譲を“タウン化”して、住む人が共感できる空間、楽しく過ごせるまちをつくりたい」と思っていたところで、そこには理想の形がありました。いま、人が困っていたら、手を差し伸べてあげる――。そういう関係が希薄になってきているな、と感じています。人間関係が複雑な時代に、ヴィレッジのような仕掛けを介して「人と人が繋がれる」っていうのも、すごく魅力的だと思いました。さらに、「若い世代の人たちが帰って来たい、働きたいと思う町にしたい」―そんな思いを抱いていたので、(ヴィレッジの)小さなコミュニティに期待が膨らみました。

湘南エリアのエンジョイヴィレッジへの視察の様子(写真中央が島田さん)

木を大事にして生きた会社が「スケルトン」に挑戦する訳

エンジョイヴィレッジのコンセプトもそうなんですが、「スケルトンハウス」そのものにも惹かれました。僕らはもともと材木屋だったこともあり、木を使った家を作りたいという思いから「木楽ホーム」という社名にしました。「木と一緒に生活をしてくれる方たち」をターゲットにしていて、当たり前のように木を使ってくれるだろうなと、思っていたんです。でも実際のところ、そこまで木に興味を持ってもらえなかった。木の使い方(取り込み方)が上手じゃなかったのかもしれないのですが、「木」を主張するよりも、「なんとなくそっとあって癒される存在」のほうが重要で、実際には、板張りで柱や木張りが見える…というのはあんまり求められていなかった。

そんな逡巡の中で出会ったスケルトンハウスは、当初から僕らが考えていた「可変性がある家」や「木に程よく囲まれている家」を体現していたのです。自分や家族のライフスタイルに合わせて形(間取り)を変えられる家であり、そういう部分を(エンジョイワークスが)自信を持って取り組んでいるところに強みを感じました。手を加え(手を入れ)続けることができる家。愛着も生まれるんじゃないかな、と。

でも、木を使うってすごく難しいんです。外壁やデッキは特に。エンジョイワークスのスケルトンハウスは、すでにこれを求めて選んでくれるお客さんがいて、かつ、外壁の変化を楽しんでいる。僕らも、「木を使う」ことをずっと求めていきたいので、この部分にも大きく共感しました。だから、エンジョイヴィレッジを一緒にやりたいなって。

別の視点もあります。「質の高い住宅(住まい・環境)」には二つの捉え方があって、気密や断熱など性能の高さと、もう一つ。「自分たちが幸せか」という暮らしや生活の中の質。ヴィレッジの「スモールコミュニティ」と掛け合わせると、僕たちが手掛ける今回の住宅は、そんな両方の角度の“質”が高くなると思っています。

「応援されるビジネス」は幸せを作っていく

今回、僕ら木楽ホームが手掛ける佐久市のヴィレッジは、「エンジョイヴィレッジファンド」で資金を調達します。もちろん自分でお金を集めて分譲事業を進めるという選択肢もあったのですが、これも一つの挑戦。エンジョイワークスを訪ねて建物を見て、話を聞いて、その取り組み方に共感した…というのもあるのですが、建築する場面に、僕らだけじゃなくファンドの投資家さんとかお客さんとか、いろんな方が、この事業を「応援をしている」っていう解釈をしたんです。

投資家は投資を通して事業そのものを応援する。僕らはこのヴィレッジを作って暮らしを応援していく。もちろん、その先に利益もあるのですが、立場は違えども、応援の気持ちが乗せられる。その循環から良質なコミュニティが生まれていく。そういう「応援されるビジネス」っていうのは、いろんな人に幸せを作っていくんじゃないかな。スポーツでもそうなんですけど、応援されると想像以上の力が出るでしょう。そういうことをいろいろ重ねて考えると、「応援されるってすごいことだな」と。それが、このファンド事業の魅力だと思います。

写真左は、佐久平ハイウェイオアシスからの眺望。右は、木楽ホームの拠点がある東御市の海野宿の街並み。雄大な自然や歴史に囲まれている長野県は、近年移住先としても人気

僕は、この場所にヴィレッジができて、複数の家族が緩やかにコミュニティを作っていく様子がパッと想像できました。ヴィレッジ型の分譲が横のつながり生み出して、困ったら、隣の人が助けてくれる。そうした循環は、地域コミュニティの再生にもつながる。「僕たちの取り組み(ビジネス)で長野を元気づけたい」。そんな思いを乗せて「エンジョイヴィレッジ事業」に挑戦しています。

木楽ホームウェブサイト
https://kirakuhome.co.jp/
エンジョイヴィレッジファンド関連説明イベント
https://atarashi-fudousan.jp/properties/310

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