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谷戸の空き家や遊休不動産―地域課題解決に機動力とアイデアをフル稼働!/自治体共創CASE⑥横須賀市vol.1

自治体共創 公開日:2024.05.07

「なぜ今、横須賀なんですか?」。あるメディアの方に聞かれました。私たちの本拠地、鎌倉と隣り合う「三浦半島」の大部分を占める横須賀市。今年に入って、ここでいくつかの大きなプロジェクトが進んでいます。私たちは不動産事業者なので、物件の仲介や売買でももともと馴染みのある町ではあったのですが、いずれのプロジェクトも自治体(横須賀市)と連携して取り組んでいる事業というのが特徴。そこには「地域課題の解決」という共通項があります。空き家や遊休不動産、それにかかわる人口減と少子高齢化、さらには公共施設の老朽化や縮減――。

喫緊の優先度の濃淡はあっても、どの自治体も抱える「連鎖する課題」たち。街を動かすエンジンをどうかけるのか――? 今まで私たちが、全国各地で積み上げてきた物件再生や共感投資の仕組み、リノベーション、施設運営のノウハウを活用して、人やモノの好循環を生みたい。そんな思いで「共創」がスタートしています。(全2回の記事の1回目/2回目はこちら

私たちが今、手掛けている事業のひとつが、旧市営住宅「田浦月見台住宅」のリノベーション。1960(昭和35)年、高度成長期の人口増に伴って、谷戸の高台に整備された平屋72戸は「天空」の集落。高齢化もあり2020(令和2)年に最後の入居者が退去しており、一つの役割を終えている状態です。立地は、三浦半島の北部、最寄りのJR田浦駅(横須賀線)から歩いて10分ちょっと。東側は東京湾や長浦港が見渡せて、少し背伸びすると西側には富士山もちらりと見える静かな環境。等間隔に並ぶ平屋は「昭和」にタイムトリップしたかのような佇まいです。

三浦半島ならではの「谷戸」の高台、立地の特異性は一目瞭然

全国でさまざまな再生事案に関わってきた私たちから見ると、場所も眺望も、建物自体もポテンシャルがたくさん詰まった場所。ただ、最寄りの幹線道路から現地までの道路の幅も狭く、大規模な造成や開発も難しいとあって自治体にとっては悩ましい「遊休不動産(空き家)」。そんな横須賀市からの「お題」は、『市営住宅を有効活用して、リノベーションを行い、魅力的な新しい街をつくることによって地域コミュニティの活性化を図る』というもの。この企画提案プロポーザルがあり、昨年末、活用事業者候補に採択されました。

現状では、「どんな人を巻き込めるか」「どんな賑わいを作れるか」といった全体のコンセプトや、ゾーニングのアイデア出しを行っているところ。計画実施の中心となるエンジョイワークスの事業企画部を始め、建築設計部、不動産営業部、PRチーム、施設運営を手掛ける関係会社のGoodNeighbers(グッドネイバーズ)まで社内横断で頭を働かせています。

時が止まったような佇まいの旧市営住宅(写真左)。社内横断で現地視察し、アイデアを膨らませていきます

従来であれば、廃止した公共施設は売却や解体という選択肢となるでしょう。自治体が主体になって多額の予算を投じて大型のリノベーション(改修)するというのも、財政が厳しい折、現実的ではありません。つまり「行政ができる範囲」は意外と狭いもの。持続可能という側面で言っても、民間事業者との共創は欠かせなくなっているのです。(記事の続き,vol.2はこちら

月見台住宅プロジェクト(LINE情報ページ、最新情報を配信中)
https://lin.ee/6mJdwjF
横須賀市リリース(田浦月見台住宅活用事業者候補を決定、2024年1月18日付)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4821/nagekomi/20240118tsukimidai.html
旧市営田浦月見台住宅ドローン映像
https://youtu.be/J-w3bfLhE7Qhttps://youtu.be/J-w3bfLhE7Q

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