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空き家再生の「お金」問題を解決する“仕組み”のパイオニアとして

Column 公開日:2024.04.16

「地域の遊休不動産を、人の流入・雇用創出・地価上昇につながる施設に再生・整備したい」というニーズに対し、避けては通れないのが資金調達の問題。思いがあっても資金の余裕がなく、リノベーションができずに物件再生が進まないことも少なくありません。老朽化した物件等の再生においては、金融機関は担保価値が算出しづらいため融資が難しい・回収リスクが高いなどの課題もあります。外部から開発事業者が現れても、「地元主導でない画一的な不動産開発は避けたい」―そんな思いを持つ人もいるでしょう。地域での再生事業には、「資金調達」という高いハードルが立ちはだかっているのです。

だからといって、資金の問題を解決する手段が全くないという訳ではありません。もともと、地域の不動産業者等が投資家から出資を募って物件を取得し、リノベーションして賃貸、売却等を行い、その運用から得られる収益を投資家に分配する仕組み自体はありました。これが、1994年制定の「不動産特定共同事業」(不特)という制度なのですが、許可制で関わることのできる事業者が限定されていたため、だれもが運用できるものではありませんでした。そこで、これを管轄する国土交通省は2017年12月に法律を改正。それが「小規模不動産特定共同事業」(小規模不特)です。その名称の通り「小規模」の事業者が参入しやすくするためのもの。資本金や出資金などの要件が緩和され、許可制度ではなく登録更新制度(5年)に変更となり、地方の中小規模の事業者が参入できるようになりました。

法改正の翌年(2018年)、国内で初めて「小規模不特」の事業者に登録したのが、私たちエンジョイワークスです。お金を集める手法として、まちづくり参加型かつ投資型クラウドファンディングサービスを搭載したサイトを開設。これが共感投資プラットフォーム「ハロー! RENOVATION」です。1号案件は古い蔵を「泊まれる蔵」にリノベーションするプロジェクトで、1日で600万円を調達しました。その年、国土交通省の「不動産証券化手法を活用したモデル事業形成に向けた支援事業」 の対象事業者にも採択されました。

私たちが手掛けた「小規模不特」の第一弾、葉山町の蔵をリノベーションした宿泊施設「The Bath and Bed Hayama」。開業から5年、運用も好調

こうした資金調達(不動産投資)の仕組みを使えば、事業者の自己資金や銀行からの借り入れに頼らずに事業が展開できます。以前は銀行からの借り入れが通らず実現できなかったような計画に取り組める可能性も広がるのです。「小規模不特を活用して、不動産証券化事業に関わる地域の担い手を育成し、地方創生にもつなげていく」。国としてはそんな狙いもあるようです。

国土交通省「小規模不動産特定共同事業パンフレット」より

私たちが大切にしているのは「出資を募る=共感、応援を募る」というスタンス。銀行融資と違って「ファンド」で小口の資金を集めることと同時に、事業に対する共感者に増やす―そんな循環を作っているのです。実際に、2018年から24年まで手掛けた(成立した)「ファンド」は30以上。投資やプロジェクトを通して、全国でさまざまな人の輪を築いてきました。そうした経験と知見をもとに、全国の不動産事業者を対象に、空き家や遊休不動産の再生や利活用で不動産ファンドを活用する際の法規制上の考え方や事業の組み立て方、資金調達スキームについてセミナーを開いたり、小規模不動産特定共同事業者の登録をサポートしたりしています。日本の各地域にその仕組みを運用できる不動産事業者がいれば、「お金・人・モノ」がもっとスムーズに循環できるはずです。実際に、「小規模不特」に登録して、物件再生事業を展開する企業が国内各地でポツポツと出始めています。

国土交通省「小規模不動産特定共同事業パンフレット」より

不動産投資という言葉を聞くと「運用益(キャピタルゲインやインカムゲイン)で儲ける」ことをイメージするかもしれません。実際に「投資用」の物件も数多くあり、利回りなどをウリにしたサービスも乱立しています。これに対して、私たちが手掛けるのは資金調達の仕組みなので、「この事業だから投資したい」「投資で応援しよう」「イベントやワークショップに参加して事業を知ろう」という動機や、その後の「楽しみ」も提供しています。利回りや投資の特典だけでなく、その事業に関わる人達を増やして巻き込きながら、みんなで進んでいくワクワク感があるのです。

私たちが掲げているのは「日本一楽しい不動産投資」。資金調達の課題を解決しながら、人やモノを循環させて、町を元気にしていく。「不特(小規模不特)」の仕組みを使った「みんな」の再生のストーリーが、あちこちで育っています。

*エンジョイワークスは、2019年に「不動産特定共同事業者」の許可を取得
*2023年には、「共感投資プラットフォーム『ハロー! RENOVATION』を活用した空き家・遊休不動産の再生」で、国土交通省の「第1回 地域価値を共創する不動産業アワード」大賞を受賞しました

ハロー! RENOVATIONホームページ
https://hello-renovation.jp/
不動産特定共同事業者のサポートに関する紹介ページ
https://hello-renovation.jp/producer/futoku
*トップ画像は、元遊郭建築をリノベーションした宿泊複合施設「UNKNOWN KYOTO」(ファンド組成2019年~)

株式会社 エンジョイワークス

令和6年度 国土交通省PPP協定パートナー
宅地建物取引業 [神奈川県知事(3)第28062号]
一級建築士事務所 [神奈川県知事登録 第16506号]
不動産特定共同事業者 [金融庁長官・国土交通大臣 第114号]
(第1号、2号、3号、4号に掲げる事業を行う)
第二種金融商品取引業 [関東財務局長(金商)第3148号]
住宅宿泊管理業者 [国土交通大臣(02)第F00604号]
(関連会社グッドネイバーズにて取得)

ファンド出資時の注意事項

  • 出資に際しご負担頂くのは出資金額のみで、それ以上の支払は発生しません。出資金から年度毎に管理報酬を、その他銀行手数料等をご負担頂きます。
  • 事業の状況により、利益の分配が行われない可能性及び返還される出資金が元本を割る可能性があります。詳しくはハロー!RENOVATIONの「ファンド情報」から内容をご確認ください。
  • 不動産特定共同事業のファンドにおいて、株式会社エンジョイワークスは、当事者として不動産特定共同事業法第2条第3項第2号の匿名組合型契約を出資者と締結します。