神奈川県葉山町。人口は約30,700人、面積は17.04k㎡の小さな町。先ごろ、ある不動産サイトの「住み続けたい街」のランキングで1位になりました。都心部から電車や車で1時間程度、いわゆる「湘南」の東の端、相模湾を臨む立地の穏やかな町です。葉山という地名から知られているのは、御用邸でしょうか。かつては避暑地、別荘地として知られ、今は鉄道会社の「葉山女子旅きっぷ」なども人気です。「住む・暮らす」という部分では近年、ファミリー層の移住も多いのですが、ただただ、自然環境やイメージに惹かれて…だけではなさそうです。
そのひとつが、「まちのつながり」。エンジョイワークスが創業するきっかけもここ、葉山にありました。代表の福田は、都内から葉山に移住し、コミュニティがまちを元気にしている様子を目の当たりにして、「まちづくりや地域活性を手掛ける会社を作りたい」と思い立ちました。実際に移住してきた人も、こう言います。「人と人の顔が見える、“いい感じ”でつながっている」「町を大事にしている人が多いと感じた」「知らずのうちに緩やかに仲間が増えていた」「町のために何かできることがないかな、と考えるようになった」――と。これこそが、土地の持つコミュニティ力であって、「まちを思う人」を巻き込んで「まちづくり」の視点が生まれるのかもしれません。近所づきあい…近隣とのコミュニケーションが希薄になっていると言われる現代ですが、緩やかなコミュニティがあることを心地よいと感じる人も少なくないということでしょう。
ここに、別の視点もあります。体感的な「暮らしやすさ」は、どのように作られていくのか?ということ。町への愛着や誇りかもしれませんし、人とのつながりもあるでしょう。自治体の政策や施策とは別の次元での「まちづくり」の醸成もポイントです。例えば、毎年春に開催されている「葉山芸術祭」は、1993年に始まった町域全体のアートイベント。「アートと人のつながり」をテーマに、表現と交流を深めています。地域住民の自主運営で、世代を継いで続いています。また、葉山の別荘文化や景観を発信しているNPO法人葉山環境文化デザイン集団 は「葉山に眠っているポテンシャルを見つけだし、それをリバリューすることで新しい魅力を創造する」と活動を広げています。それぞれ、町を思う気持ちを形にしながら長く住んでいる人も、移住者も巻き込んでいるのです。
葉山芸術祭ウェブサイト
https://www.hayama-artfes.org/
NPO法人葉山環境文化デザイン集団 高田代表インタビュー記事
https://enjoyworks.jp/times/070/
そんな地域プレイヤーや識者が集まる「まちづくり」のフォーラムが開催されます。どのような思いで活動をしているのか? これからの葉山をどんな町にしたいか? など、さまざまな角度でアプローチしていきます。他の町にも汎用できる「まちづくり」のヒントが得られるかもしれません。
■葉山の「まちづくり」を考える 〜様々な「まちづくり」アプローチ〜
・日時:2024年9月29日(日)13:00〜16:00
・会場:葉山町福祉文化会館大会議室
・登壇者:
鈴木伸治(横浜市立大学教授)
伊藤裕夫(元・日本文化政策学会会長/ 葉山芸術祭顧問)
山形与志樹(慶応義塾大学教授)
福田和則(㈱エンジョイワークス代表取締役
大塚由美子(NPO法人大磯ガイド協会運営委員)
高田明子(NPO法人葉山環境文化デザイン集団代表)
ファシリテーター:樽見弘紀 (葉山まちづくり協会アドバイザー/元・日本NPO学会会長)
*順不同、敬称略
・申し込み・お問い合わせ
NPO法人葉山まちづくり協会ウェブサイト
https://www.hayama-npo.or.jp/news/4572