国内、どの自治体も頭を悩ませる「空き家」の増加。エンジョイワークスは、和歌山県の進める「空き家活用まちづくりプラン」事業にアドバイザーとして参画しています。地元自治体や大学、住民が参加するワークショップも進行中です。
事業を紹介する前に、国内には、どれくらいの「空き家」があるのか。総務省が5年おきに実施している住宅・土地統計調査では、空き家数が848万9000戸と過去最多に。住宅の13.6%。つまり、約7件に1件が「人の住んでいない家」ということなのです。これは2018年のデータ。最新の調査はちょうど今年、2023年秋ですから、確実にこの数字を更新するでしょう。
なぜ空き家が増えると困るのか。管理されていない(人の住んでいない)家は傷みも早く、植栽や雑草などによる景観の悪化を招くだけでなく、防犯・防災の不安もあります。一旦、空き家になっても、次に住む人が居ればいいのですが、それがなければ、新たな人の移動(人の循環)もなく、街の環境が硬直化してしまいます。商店街で言うと、空き店舗が多いと賑わいもなくなります。地域の衰退という問題と直結しており、全国のどの自治体も「空き家対策」にあの手この手なのです。
さて、話は戻って和歌山県。空き家率が全国2位の20.3%(約10 万戸)と非常に高い割合の自治体です。県では、空き家バンク(空き家情報を共有する独自のサイト)を開設したり、移住を応援するプログラムを充実させたり、独自の支援策を打ち出しています。そんな中でスタートしたのが、国土交通省の「令和5年度空き家対策モデル事業」に採択されている「空き家活用まちづくり」プランの策定。エンジョイワークスでは、事業企画部の彼末と永田が和歌山県の主催するワークショップに講師として参加しています。
11月上旬に行われた講座では、和歌山県の最西端、美浜町・三尾地域エリアを対象にフィールドワークし、約160件の空き家を「発掘」しました。その中で「どういうまちにしていきたいのか」という視点で、必要な機能とターゲットを地元住民と大学生でまとめています。同じ講座を和歌山市(雑賀崎地域)でも実施しています。参加者が発表した内容をもとにブラッシュアップして具体的なプランを策定した後、来年度は地域のNPO団体等と空き家改修を行っていく予定です。
「地元の人や“みんな”を巻き込んで考える」この事業は、エンジョイワークスが掲げる「まちづくりのジブンゴト化」にもつながります。このフィールドワークでは、中長期滞在施設をつくろうとしている地元のプレイヤーにも出会い、事業化の話も進んでいます。今後も、和歌山県をはじめとした、併走型のまちづくりにご注目ください!
和歌山県によるワークショップ紹介
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/022200/d00214706.html