まちを歩くと、空き家やシャッターの閉じた店舗、使われなくなった建物や空き地が目に入ります。一見すると「役目を終えた場所」に見えるかもしれません。栃木県鹿沼市・東武線新鹿沼駅前エリアで始まった「かぬまる」は、そうした場所をもう一度まちの中で活かせないかと考える取り組みです。
駅前に点在する空き家や遊休不動産を対象に、商店街・中心市街地が元気になる事業アイデアを募るプログラム。鹿沼のまちや人、文化に“沼る(=夢中になる)”きっかけを、事業という形で提案してもらうコンテストです。単なるアイデア募集ではなく、地域関係者との接続や事業性の検証も視野に。空き家を地域の可能性を広げる“資産”として活用することを目指しています。

実際の対象物件たち。プレゼンテーションは、ここを「こう使いたい」「こんなことができたら」をプレゼンする場
1月末に募集を開始し、3月頭までに約40件のエントリーがありました。寄せられた声には、「優秀な案は、本当に実現させてほしい」「実現までの支援やアドバイスを期待」といった、実行までを見据えた意見が多く見られました。また、「人口減少が進むなか、地方が豊かに発展するモデルになってほしい」というように、まち全体の将来を考えた声も。鹿沼にゆかりのある方からは、「高校時代を過ごした鹿沼が、より素敵な場所になってほしい」「鹿沼ならではの発想を見たい」「コンテストを通じて課題を知り、解決までの道筋が見えるといいな」といったコメントも寄せられました。このプログラムが、単なるコンテストというより、鹿沼のこれからを考える機会として受け止められていることがうかがえます。
そして、3月末に控えるのが、最終プレゼンテーション。20数組が登壇予定で、ここでは、事業性・地域性・実現可能性の観点から審査を行います。これは同時に、アイデアを実装へ近づけるための入口。私たちエンジョイワークスは、プログラムの運営事務局として参画していますが、これまでこうした事業を国内各地で実施し、見えてきたのは、提案で終わるアイデアと、実装に進むアイデアの違い。重要なのは、計画だけでなく、その場所に関わり続ける人の存在です。まちへの本気度、その先を描く想像力。「かぬまる」も、コンテストで完結しません。来年度以降、実現可能性の高い構想については伴走支援も検討しています。
空き家も、まちも、変化の途中にあります。その次の一歩がどのような形になるのか、ぜひ会場でご覧ください。
【かぬまる 最終審査会・公開プレゼンテーション】
日時:2026年3月28日(土)14:00〜17:00(13:30開場)
会場:かぬまケーブルテレビホール(鹿沼市民文化センター)鹿沼市坂田山2-170
※JR鹿沼駅、東武・新鹿沼駅より徒歩約30分(駐車場あり)
※一般の方の観覧も歓迎です(入場無料)
◻︎当日スケジュール(予定)
13:30 開場/14:00 開会挨拶・趣旨説明/14:30 公開プレゼンテーション
16:20 審査・講評/16:35 表彰式 /17:00 閉会〜交流会
▶ プログラム詳細 https://enjoyworks.jp/kanuma/

日光への入口に位置する鹿沼市。新鹿沼駅前のいちごモニュメントに象徴される、別名「いちご王国」。足尾山地のふもとのなだらかな平地に、市街地が広がる
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