ENJOYWORKS TIMES

畑から食卓へ、その先へ。紀の川・MIKASAKANで育てる時間

Feature Project 自治体共創 公開日:2026/01/06

「Farm to Table(農園から食卓へ)」という考え方があります。産地と近い・食材の移動距離を縮める――。そんな説明にとどまらず、誰が、どんな土地で、どんな時間をかけて育てたのか。その背景ごと受け取るという思想です。

和歌山県・紀の川流域は、この言葉がごく自然に重なる場所。山から流れ込む水、紀の川が運ぶ肥沃な土壌、温暖な気候。そうした条件に支えられ、果樹栽培が長くこの土地の暮らしの一部として続いてきました。桃や柿、多種多様な柑橘、いちじく。フルーツは「特産品」としてだけはなく、日常の延長線上にあります。私たちエンジョイワークスが紀の川市粉河で運営するMIKASAKAN(三笠館)も、こうした土地の時間と向き合いながら再生してきた場所です。大正時代の旧旅館をリノベーションして2024年に開業しましたが、「建物を整える」だけでは、場は生きません。このまちが積み重ねてきた営みと、いまをどうつなぎ直すのか。その問いに向き合うなかで、自然と立ち上がってきたのが「フルーツ」を軸にした取り組みでした。

大正期の旅館をモダンに再生。11月のリニューアルでは、内装も「フルーツ」色に

⬜︎MIKASAKAN ウェブサイト
https://mikasakan.com/ja/
⬜︎MIKASAKAN Instagram
https://www.instagram.com/mikasakan.kokawa/

場と人をつなぎ直す。ここでしかできないこと
フルーツには、人をつなぐ力があります。農家、料理人、宿、そして訪れる人。立場や役割が違っても、畑に実った果実を前にすると、会話が生まれ、時間が共有される。収穫されるまでの季節の移ろい、手をかける日々、その先にある食卓。そうしたプロセス全体を含めてこそ、この土地の価値が立ち上がるのだと感じています。

私たちが目指しているのは、フルーツを「消費」する体験ではありません。つくる人の言葉を聞き、土地の風景に触れ、その延長として味わうこと。結果として心に残る時間が生まれれば、それがまた次の関係へとつながっていく。MIKASAKANを拠点に、そんな循環を育てていきたいと考えています。

こうした思いを形にする最初の試みとして、体験型宿泊イベント「Fruits to Table」を開催します。地域の農園で旬のフルーツを収穫し、生産者の話を聞き、その果実を使った料理を味わう。畑から食卓までをひとつの流れとして体験するプログラムです。今回はモニターツアーとして、少人数・限定組数での開催を計画しています。まさに地域をまるごと食す「EAT+LOCAL」=EATLO(イートロ)。これにEducate(フルーツに関する知識を育てる、学ぶ)・Experience(フルーツにまつわる体験をする)を混ぜ合わせながら、フルーツが「染みる」体験をしてもらう。その積み重ねが、この場所に根づいたプロジェクトにつながっていくと考えています。

桃や梅、イチジクに柑橘…1年じゅう途切れず、フルーツのリレーが楽しめるのがこのまちの特徴

「Fruits to Table」のプログラムでは、地元の農園で旬のフルーツを収穫し、生産者の話を聞き、その果実を使った料理を味わい、複合宿泊拠点のMIKASAKANを満喫してもらう内容。まさにFarm to Tableの「フルーツ版」と言ったところ。フルーツの産地を満喫するだけでなく、その土地の恵みと耕す人々の思いを受け取ってもらいたいと思っています。

食べることは、土地と関係を結ぶこと。
エンジョイワークスとMIKASAKANはこれからも、場と人、農と食が交わる時間を育てていきたいと思います。
イベント詳細はこちら

「フルーツライン」と呼ばれる縦断道路も。豊かな水資源と穏やかな気候で、西日本最大の「フルーツ王国」と呼ばれている紀の川

全ての記事 Column (46) Feature Project (74) Interview (27) New Topics (68) Report (21) 数字で読むエンジョイワークス (9) 自治体共創 (34)

ENJOYWORKS TIMES

Follow us