昨今、「働く場所」がどんどん柔軟に変わってきています。オフィスに固定されず、オンラインでつながり、必要なときにだけ集まる。ここ1〜2年は「出社回帰」の傾向も見られますが、その流れの中で、「働き方」や「チームビルド」という視点から、あらためて“場”の必要性が浮かび上がってきました。チームで同じ空気を吸う時間をどうつくるかは、以前よりも大切なテーマになってきているように思います。
エンジョイワークスでは、鎌倉市所有の景観重要建築物「旧村上邸」の利活用と運営を担っていますが、特徴的なのは企業の方々による利用が増えていることです。能舞台、茶室、庭園を備え、地域コミュニティの拠点として親しまれている一方で、企業研修やオフサイトミーティング、チームビルディングの体験セッションなどにも使われています。都会の喧騒から離れて、少し特別な時間を過ごす。机を並べるだけの会議とは違い、余白が生まれ、会話の温度が自然と変わっていく場面を何度も見てきました。
こうした経験を重ねるなかで、私たちは “場が持つ力”についてあらためて考えるようになりました。海が近い町、ゆっくり流れる時間、いつもとは違う景色。場所そのものが人の感覚をやわらかくし、チームの関係性までほぐしてくれる。湘南から葉山にかけてのエリアには、そうした“余白を生む力”があります。特に葉山は、海と山が近く、町全体のテンポが落ち着いているのに、どこか凛とした空気がある。観光地でありながら、過度な賑やかさがなく、静かな日常の気配が漂う。そのゆるやかな空気が、人を自然と整えてくれるのだと思います。
その中で、私たちが運営している旧東伏見宮葉山別邸(別邸)は、少し特別な存在です。大正期に建てられた旧皇族の別荘で、白い外壁と緑青色の屋根が印象的。建物に足を踏み入れると、その静けさが心を整えてくれるような、不思議な落ち着きがあります。格式があるのに緊張を強いられない、どこか安心感のある空間です。大広間や応接室といった部屋はもちろん、玄関ホールの光の入り方や、窓からのぞく木々の深い緑。この特別な場所も、そのまま「場の力」として働いてくれるのではないか。そう考えています。ここでの使い方は、チームミーティング、役員合宿、少人数のクリエイティブワーク、新商品のプレゼンテーションや周年の式典など、用途に合わせた使い方ができます。

自然光が差し込むゆとりある周り廊下と天井の高いメインフロア。宿泊にも対応
別邸の良さは、「宿泊を含めた利用ができる」という点にもあります。日帰りの集中ワークだけでなく、夕食をともにして、夜に少し語り合い、翌朝は早めに起きて海まで散歩しながらアイデアを整理する。そんな流れを自然に組める場所は、実はそれほど多くありません。葉山の静けさは、チームの距離感をちょうどよく縮めてくれます。冬場は窓の外に富士山が見えることも。都心では味わえない時間の流れがあります。環境が変わることで、普段は出てこないアイデアや言葉が生まれるかもしれません。
「富士山と夕日の絶景に見入ってしまいました」
先日利用いただいた企業からこんな感想を頂いています。鎌倉にも拠点があるインバウンド誘致マーケティング支援を専門とする事業者。エンジョイワークス代表の福田とは創業当時からつながりがあり、葉山は「都市型リゾートならではのゆったりとした空気に癒されただけでなく、鎌倉周辺の経営者仲間ともつながるきっかけとなり、大きな励みになった」という思い入れのある場所だとか。創業10周年の節目を祝うために別邸を選んでくださいました。

独自のケータリングサービスも提供、「食」もコミュニケーションを深める大きな要素。利用者も自然と笑顔に
今回の周年イベントは、IT×グローバル人材領域で事業を展開しているとあって、日本人だけでなく、イギリス・フランス・オーストラリア出身メンバーや親会社の経営陣など約25名が参加。「別邸は非日常感のある格式高い洋館。ほどよい広さと費用対効果の高いプランで、迷わず決めました」とのこと。プログラムの合間には、地産地消にこだわったケータリングメニューも提供。準備はメールやオンラインによるやり取りがメイン。「プロジェクターやマイク、レイアウト変更など柔軟に対応いただけて助かりました」との感想もありました。会場では、「特に夕刻、2階から望む富士山と夕日の絶景に、集合時間になっても降りてこないほど皆が見入ってしまいました」と、葉山ならではの自然と歴史ある建物の魅力を感じていただけたようです。
オフサイトミーティングや周年イベントを特別な場所で行うことは、いま企業にとって大きな意味があります。リモート化で失われがちな一体感を取り戻し、非日常空間が思考を広げ、参加者の記憶に残る時間をつくれるからです。歴史ある建物や自然に囲まれた葉山のようなエリアは“代替不可能な体験”を提供でき、単なる会場ではなく、企業の価値創造を支える「場の選択肢」として唯一無二のものかもしれません。
こうした場所で過ごす時間は、単なる会議や研修の枠を超え、チームに新しい発想や関係性をもたらします。旧東伏見宮葉山別邸は、これからの働き方やチームのあり方を考える“場”として、これからも特別な時間を生み出してくれることでしょう。
旧東伏見宮葉山別邸ウェブサイト
https://bettei-hayama.com/