ENJOYWORKS TIMES

“共感”が沿線を育てる。東京・青梅線「沿線まるごとホテル」のさらなる一歩

New Topics 公開日:2025/12/09

改札を抜けると、そこは「ホテル」の始まりーー。
都心からローカル線で東京の西部へ。電車に揺られ、窓を見やると日常の街並みが少しずつ変わり、その先には自然の色遣いが目に入ってきます。降り立った無人駅の改札から始まるのは、「沿線まるごとホテルプロジェクト」。株式会社さとゆめと東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が展開するこの取り組みは、沿線地域そのものをホテルに見立て、街の暮らしや文化、自然を丸ごと楽しむ、新しい地方創生の形です。

空き家や未活用施設、土地を活かし、沿線地域の資源や文化をつなぐことで、訪れる人、住む人、すべてに新しい体験を提供する。駅、無人駅、古民家、集落の道…すべてがホテルの一部となり、地域住民が街の案内人やもてなし役として緩やかにつながっていく。こうして「沿線地域をまるごと体験する空間」が生まれます。

このプロジェクトのきっかけは、地域プロデュースを手掛けるさとゆめが山梨県小菅村で展開している「NIPPONIA小菅 源流の村」。地域全体を一つの宿に見立てた分散型ホテルは、人材も食材も宿泊も「まるごと」で循環させる新しい取り組みでした。この成功例を足掛かりに、そのステージを沿線地域全体に置き換え、無人駅が続く青梅線沿線の豊かな資源の発掘・活用・発信を始めたのです。「街の魅力は外から押し付けるものではなく、住む人と訪れる人の共感で育まれる」と語るのは、沿線まるごと株式会社、さとゆめ代表の嶋田俊平さん。 さらにこう続けます。「駅から歩く小道、昔からの建物、地元の人との会話…日常の風景の中に宝物のような体験があります。それをどう宿泊体験に変えるかを考えるのが私たちの仕事です」。 こうした考え方をもとに、「沿線まるごとホテル」のコンセプトが形になりました。単なる宿泊施設ではなく、沿線地域全体を舞台に、人々の暮らしや歴史を体感できる仕組みを作ることがプロジェクトの核です。

都心から電車で2時間弱。東京の「秘境路線」と呼ばれる青梅線沿線が体験の舞台に

地域活性化の鍵は「共感」
沿線まるごとホテルの第1号施設は、古民家をリノベーションしたsatologue「滝島邸」。レストランやサウナを併設し、地域体験の場としても活用されています。ワサビ田の見学や森林セラピー、川遊びなど、多彩なプログラムが揃っています。宿泊客は「泊まるだけ」ではなく、沿線地域全体の空間や暮らしを体験しながら楽しめるのです。

このプロジェクトは単なる活性化にとどまらない、新しいコミュニティ形成創出の試み。住民は沿線地域を一緒に盛り上げる存在として、場と人をつなぐ大切な役割を担います。嶋田さんも「宿泊体験を通じて、沿線地域の空気や人の営みに触れることで、はじめてその土地の魅力を理解できる。私たちはその“つなぎ役”です」と語ります。

そんな「つながり」をもう少し深めて言語化すると「共感」という言葉に行き当たります。地域の文化や暮らし、自然に心を動かされることで、人々は主体的に関わり、場の魅力を高める行動につながります。この共感こそ、沿線地域の持続的な活性化を支える力です。それを具体的な形に変える手段の一つが「共感投資」。資金提供を通じて施設の整備やプロジェクトの推進に貢献できますが、投資はあくまで手段。共感が先にあり、投資はその思いを行動として表現する方法に過ぎません。嶋田さんも言います。「投資家の方々には、宿泊体験に加えて、地域のイベントや収穫体験、ガイドツアーへの参加など、地域に何度も関わる“きっかけ”を届けたいと考えています。これはまさに、“関係人口を生む仕組み”です。お金を出すだけでなく、時間や感情も地域に投資してもらえるといいな」と。

どこを見遣っても自然の温かい色彩が。ここに居ることそのものが「自然浴」のようなもの

新しい沿線地域の物語を共につむぐ
改札を抜けたその先から始まる小さな一歩が、沿線地域全体の未来を少しずつ変えていきます。JR、さとゆめ、地域住民、そしてさまざまな共感で参加するすべての人が力を合わせることで、沿線地域の価値は確実に育まれます。「沿線まるごとホテル」は、ただのホテルではなく、沿線地域の物語をつむぐ場。駅から小道を歩く一歩が、新たな魅力を体験し、共に育む体験につながります。あなたも、この「物語」の一員として、沿線地域の未来を共につくってみませんか。
沿線まるごと株式会社、嶋田さんのインタビューはこちら

*****
今夏から予告イベントを実施していた「沿線まるごとプロジェクト」では、ついにファンドがオープン。投資特典には、新規開設予定の「山宮邸」の宿泊や、satologue体験などを用意しています。

【JR青梅線沿線まるごとホテルファンド】
*リスク含むファンドの詳細はこちら
https://hello-renovation.jp/renovations/27447
※出資⾦から、年額最⼤3.3%(税込)の管理報酬、ファンドによりアップフロントフィー(初年度定額)、その他銀⾏⼿数料等をご負担頂きます。
※事業の状況により、利益の分配が行われない可能性及び返還される出資金が元本を割る可能性があります。リスクの内容や性質はファンドごとに異なります。詳しくはハロー!RENOVATIONの「ファンド情報」から内容をご確認頂き、当該ファンドの匿名組合契約書、契約前交付書面、契約時交付書面等をよくお読みください。
※ファンド持分の譲渡は制限されています。

株式会社エンジョイワークス
不動産特定共同事業者[金融庁長官・国土交通大臣 第114号]
※不動産特定共同事業のファンドにおいて、株式会社エンジョイワークスは、当事者として不動産特定共同事業法第2条第3項第2号の匿名組合型契約を出資者と締結、又は取扱者として契約締結の媒介を行います。

全ての記事 Column (42) Feature Project (73) Interview (26) New Topics (65) Report (20) 数字で読むエンジョイワークス (8) 自治体共創 (32)

ENJOYWORKS TIMES

Follow us