ENJOYWORKS TIMES

【旅するENJOYWORKS TIMES①】あの「紀の川三笠館」に泊まってきました

Column 公開日:2025/09/16

関西“あるある”の「奈良に泊まる?」。平城京・東大寺・興福寺・唐招提寺・薬師寺……日本の歴史&インバウンドにも人気のコンテンツ満載ながら、奈良には泊まらない。であれば、エンジョイワークスが和歌山県紀の川市と官民連携でエリアリノベーションを進める粉河のまちも、大阪の中心部から車で1時間ちょっと。「宿泊」のメジャーな目的地ではないのでしょうが、この夏、粉河にある「紀の川三笠館」に行って、泊まって存分に楽しんできました。(レポート:ENJOYWORKS TIMES・根本淳)

さて、皆さんは「泊まるか、泊まらないか」、何で決めていますか? 多くは「帰れるなら帰ろう」というシンプルな判断かと。関東の熱海も人気復活&沸騰中ながら、新幹線も使える便利さから、夜はガラガラというのが悩み。ただその一方で、近場での「あえての泊まり」の気軽さと時間と心の余裕、そして格段に上がるリフレッシュ効果に気づいている人も少なくなく、実際に熱海でもスモールラグジュアリー系の宿は人気を集めています。

「紀伊の国」の川、紀の川。2005年にこの川沿いの5町が合併して生まれたのが「紀の川市」

話は戻って、粉河。Googleマップの車ルート案内によると、大阪〜粉河は1時間と少し。道中は高速とバイパス利用がほとんど。インバウンドの方にとっては、関空からだと36分という好アクセス(関空〜大阪なんば周辺が43分)で、豊かな自然と広い空、長閑な時間が待ち受けます。そんな、実はアクセス“便利な町”にあるのが「紀の川三笠館」。大正期創業の老舗旅館をサウナとカフェ機能を持つ複合施設へとリニューアルしたもので、私たちが手掛けるエリアリノベーションの起点になっている場所です。今回は家族3人(大人2人、小学生1人)の夏休みで、関東からの関西遠征。万博・高野山・明日香村・奈良巡りを目的に、初日は万博を観て大阪宿泊。翌日からレンタカーを利用し最後は奈良という旅程で、2日目の宿に「紀の川三笠館」を提案したところ、ホームページを見た家族から「面白そう」と賛成2票を得て、すんなり決定となりました。

エンジョイワークスが再生した旧旅館「三笠館(MIKASAKAN)」の上空から。朱塗りの橋が目印

大阪泊の翌朝、上述の通り粉河までは1時間ちょっとなので、高野山経由(大阪から1時間36分予想)で向かうことに。なんばのホテルでのんびりしてからの出発で、お昼時には高野山。ランチと金剛峯寺見学を堪能した後、粉河へは39分予想。のんびりドライブを楽しみながら、疲れ知らずの余裕綽々で16時前にゴールしました。三笠館は観光の中心である粉河寺まで、わずか数10mの距離にあり、まずは散策がてらに出かけてみました。西国三十三所観音霊場第三番札所の名刹は、国指定名勝である枯山水の粉河寺庭園に、重要文化財の大門、中門、千手堂、本堂を有し、バスでやってくる観光客で賑わう有名スポットですが、静かな夕暮れ時は、行き交う人もほぼない貸切り状態で、「すぐ隣に泊まる」からこその贅沢な時間を過ごすことができました。さらに、まだ時間に余裕があったので、JR粉河駅まで続く商店街、通称「とんまか通り」へも。現在はシャッター通りの感がありますが、歩道も両側にしっかりと整備されており、エンジョイワークスは紀の川市の代名詞でもあるフルーツを中心に、三笠館を拠点にこの一帯を盛り上げていこうとアイデアを練っているところです。

MIKASAKANから名刹・粉河寺の大門までは100mくらいの距離。参道を進むと本堂や枯山水庭園など歴史と静寂が

部屋に戻って目の前を流れる中津川のせせらぎに癒されながら、メインイベントである貸切り予約制のサウナへ。ウッドデッキを抜けて別棟に渡り、専用ウエアに着替え家族3人でサウナを満喫。水風呂は地下水を組み上げており、数分おきに注ぎ込まれる水の音がまた風情あり。仕上げはサウナ専用のウッドデッキで、星空と虫の鳴き声に抱かれながらクールダウン。サウナをしっかり楽しむのは初めてでしたが、温泉とは一味違う、「ととのいの悦」を味わうことができました。

旧旅館がリノベーションでモダンに変身。一方、サウナの水風呂はかつての浴場の雰囲気が残っているところも味があります

■紀の川三笠館ウェブサイト https://mikasakan.com/ja/
■MIKASAKAN Instagram<サウナやカフェ、宿泊リアルタイム情報を発信中>
https://www.instagram.com/mikasakan.kokawa/

夕食は三笠館でのサービスがないので、高野山からの途中、粉河の大型スーパー(向かい合って2軒あり)で調達した惣菜類にて部屋食。共有キッチンがあり、調理器具も揃っているので料理もできますが、電子レンジやお皿やカトラリーがあるだけでも十分に快適。大阪在住の人であれば、家族や友人と夕方にさっと訪れ、サウナを満喫して、食べて飲んで話して、泊まって。ワンタッチで翌朝帰ってもいいし、のんびりしても。気軽に楽しめながら、濃密な「あえての泊まりに」に好都合な、効きのいいリフレッシュを満喫することができます。

小高い丘を縫うように走る「紀の川フルーツライン」。右に左に季節のフルーツが

翌日、大阪同様に朝のんびりと過ごした後、お昼前に明日香村へと出発(直接奈良に向かうと、ほぼバイパス利用で1時間25分予想)。まずは紀の川を見下ろす山嶺に広がるフルーツ農園を巡る「紀の川フルーツライン」(全長約25km)をドライブ。1時間あまりで明日香村に着くと、そこからは年表を巡る歴史の旅が始まります。小学生の息子も大満足で、奈良到着後は夕暮れ散策シリーズ第二弾、平城京跡・朱雀門へ。もちろん、泊まりは奈良で決まりです。

■(一社)紀の川フルーツ観光局ウェブサイト
https://www.kinokawa-dmo.com/
□開業3カ月時点、昨年10月のメールマガジン記事
https://enjoyworks.jp/times/103/

全ての記事 Column (39) Feature Project (62) Interview (25) New Topics (59) Report (14) 数字で読むエンジョイワークス (5) 自治体共創 (28)

ENJOYWORKS TIMES