「壊すのは、いつでもできる。でも、壊さずに生かす・活かす道を選ぶには、覚悟がいる」
この言葉を静かに語ったのは、広島県を拠点に不動産再生事業を手がける グローバルリゾートレジデンス 代表・中道崇志さんです。彼がいま挑むのは、広島県安芸太田町に佇む旧町営保養所 「龍頭ハウス」 の再生。自治体の手に余り、既に役目を終えたかに見えた建物に――自然と共生する新しい宿泊施設の姿を見出しました。「壊す」ではなく「活かす」。その選択の背後にあるストーリーを、歩みとともに紐解きます。(聞き手:ENJOYWORKS TIMES・佐藤朋子)
野球少年がたどり着いた、不動産再生というフィールド
中道さんのキャリアはまったくの異分野から始まりました。学生時代は白球を追い、卒業後は高校教師として野球部監督に。しかし教育現場との価値観のズレを感じ、わずか3年で退職。次に飛び込んだのが地元の建設会社でした。賃貸マンションの収益シミュレーションや市場調査、コンサルティング営業に携わりながら「猛勉強で宅建の資格も取りました」と振り返ります。
そこで出会ったのが不動産の世界。最初の印象は「1億円の土地が紙一枚で動く、そんな世界があるなんて!」。やがて不動産仲介の仕事を始め、個人的な興味から不動産投資物件の再生にも挑戦します。築40年の古家を150万円で購入し、同額でリノベーション。「ペット何でも可」物件 として再生したところ即入居が決まり、3年後には460万円で売却。「派手な設備や最新建材でなくても、物件が本来持つ“味わい”とポテンシャルを読み解けば再生できる」。そう確信した中道さんは、物件再生と再販へと事業の舵を切りました。
壊さずに活かす。その先にある“まちの未来”
転機となったのは、世界遺産・宮島の対岸にある元社員寮の案件です。従来手がけてきたアパートやマンションとは立地も規模も異なり、発想を大きく転換。短期滞在が中心だった観光客に「もっと長く滞在してもらえる拠点を」とロングステイ型施設へ再生しました。以降、地域の魅力を引き出す“宿”の形を模索し続け、広島県内で扱う物件はわずか2年で5施設から18施設へ急拡大。その多くが築古や廃止目前の“難あり”物件です。中道さんはそこに再び光を当て、宿泊施設や民泊として再生させてきました。
写真左は宿泊施設への再生の第1号物件。右写真は、中道さんと外国人スタッフのビエンさん(右)
その延長線上で出会ったのが、広島県北西部にある県内最小規模で自然豊かな町・安芸太田町。まず「温井ダム」そばの温泉リゾートをリトリート施設へ転換。続いて公募採択された町営余暇施設 「いこいの村ひろしま」を再生。そして現在進行中の第3弾が 「龍頭ハウス」 プロジェクトです。かつて筒賀村時代に建てられた公営保養所「龍頭ハウス」は、数年前から使われずに放置されていました。中道さんは「エリア全体の復活の起点にしたい」と語り、町が掲げる 「森林リトリート」 の拠点化を構想。単なる宿泊施設への再生に留まらず、自然・文化・人をつなぐ複合的な拠点 としてエリアをリブランディングし、地域活性化へと導こうとしています。
共感を資源に。ファンドで仲間を募る
今回、中道さんは ファンド型の資金調達にも挑戦中。「壊さず活かす」に共鳴する仲間を募り、思いを共有しながら町の未来を共創したい――そんな願いが込められています。再生事業はもはや施設単体の改善にとどまりません。中道さんは日本語学校の設立や外国人スタッフの育成にも着手し、まちぐるみで人材育成と雇用創出を進めています。広域的な「ドミナント展開」が、地域との共創の基盤になっているのです。
「龍頭ハウス」は赤い屋根のロッジ。ここを拠点としたアクティビティや自然体験のイメージをイラストで表現(写真右)
不動産業界では、老朽化した建物を 「スクラップ&ビルド」 で更新するのが半ば常識でした。しかし中道さんは問いかけます。「古い=非効率、だから壊す――それでいいのか?」――と。「不動産という“ハコ”は変えられなくても、それをどう活かすかは時代に合わせられる。それに挑み続けるのが僕の役割」と語る中道さん。壊せば早い、だが壊さないことで得られる価値がある。関わる人の想像力と創造力が積み重なれば、風景も暮らしも未来も変わるのです。
グローバルリゾートレジデンスウェブサイト
https://global-resort-residence.com/
公式 YouTube チャンネル
https://www.youtube.com/@global_resort
【広島安芸太田町リゾート再生ファンド】
自然豊かな広島県の秘境でリトリート宿泊施設を再生
*リスク含むファンドの詳細はこちら
https://hello-renovation.jp/renovations/25917
※出資⾦から、年額最⼤3.3%(税込)の管理報酬、ファンドによりアップフロントフィー(初年度定額)、その他銀⾏⼿数料等をご負担頂きます。
※事業の状況により、利益の分配が行われない可能性及び返還される出資金が元本を割る可能性があります。リスクの内容や性質はファンドごとに異なります。詳しくはハロー!RENOVATIONの「ファンド情報」から内容をご確認頂き、当該ファンドの匿名組合契約書、契約前交付書面、契約時交付書面等をよくお読みください。
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株式会社エンジョイワークス
不動産特定共同事業者[金融庁長官・国土交通大臣 第114号]
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