「30」。多いのか少ないのか、ちょっと分かりにくい数字です。これに助数詞を付けるとどうでしょうか。湘南と横須賀に30施設。これは、私たちエンジョイワークスの子会社、GoodNeighbers(グッドネイバーズ)が運営を手掛ける施設の数です。もともと、不動産仲介や建築設計から始まった私たち。空き家や空き店舗のリノベーションをきっかけに「場の運営」へと事業領域を拡大したのが2010年の半ばごろ。地域に寄り添いながら「場」を育てていく。この社名には「良き隣人たれ」と思いも込められているのです。
GoodNeighbersウェブサイト
https://good-neighbors.link/
空き物件の再生は、エンジョイのオフィスから。元アクセサリーショップを本社オフィスに、魚屋を改装して自社カフェ兼コミュニティスペース兼サブオフィスに。そんなところからスタートしました。以降、人力車倉庫を湘南のクリエイターたちとリノベーションした宿泊と飲食の融合施設に、海辺の古いビルのワンフロアをサテライトオフィスに、古民家を民泊施設に、歴史的建造物を企業研修の場に…。新しく建てることを否定するわけではないけれど、空き家や空き店舗には、立地はもちろんそこにしかない建物の趣や味わい、佇まいもあります。それを活かして「持続可能な不動産」にしていくことも大切にしていきたいと思っています。
私たちが運営を手掛ける施設の一部。古民家や歴史的建造物、蔵を宿泊施設に…場を「再価値化」していることが特徴
その過程で得られたのは、運営や開業に向けてのノウハウ。施設のコンセプト設計や物件取得、収支計画、実際の稼働まで、「どこで何が必要か、何をすべきか」という部分と湘南の地域特性など、自社での経験が積み重なっています。エンジョイワークスで物件を購入した方の宿泊施設開業をサポートする―そんな事業にもつながり、全国で民泊施設数が急増する中で、湘南エリアの数少ない「地域に密着した民泊運営管理事業者」として着実に実績を伸ばしてきました。
民泊などの施設開業を考えるオーナーの多くは「空き家を活用したい」「別荘を収益化したい」といった目的を持ち、さらには地域に理解ある運営者を求めています。特に宿の「コンセプトづくり」は重要で、オーナーの想いや地域特性を反映した独自の宿づくりも重要。私たちのような事業者がいないと(宿泊施設を)開業できない…訳ではないのですが、想像よりも開業までの道のりだけでなく運営には労力を要します。とはいえ、民泊や宿泊施設の開業はハードルが下がっていて、「代行」の事業者も増えています。それでは私たちは「代行」なのか?と言うと、ちょっと違うかもしれません。オーナーに伴走して共創していく…それが宿づくり・場づくりの緩やかな仲間=「Neighbers」という距離感でもあるのです。
GoodNeighbersのスタッフたち(一部)
地域の人や文化と連携し、地域コミュニティの核となる「場」をつくりあげる。このエリアで暮らす「地域住民」でもあるスタッフの機動力も一役買っていて、現場の状況を把握しながら柔軟に対応できる体制は、やはりこれまでの「地元での積み重ね」があってこそ。特に最近多い「家主不在型」の民泊運営は無機質に見えるかもしれませんが、その裏側では、清掃やリネンなど、短時間の業務を地元在住のアルバイトもサポートしてくれています。それらを含めて「GoodNeighbers」の本質。気付けば、近々開業する案件も含めて現時点で「30」。今後も月に1~2件のオープンを控えていて、この地域で50件の運営もそう遠くはなさそう。これからも、「原点」を忘れず、地域の文化や暮らしに溶け込みながら持続可能なコミュニティ形成を目指す「良き隣人」として、多様な「場」を創出し続けていきたいと思っています。
庭の手入れからリネン交換、開業準備(家具の設置や組み立て)など裏方がいてこその施設運営
GoodNeighbers運営施設「旧村上邸―鎌倉みらいラボ―」でのダウンインターン活動に関する記事
https://enjoyworks.jp/times/117/
開業支援、運営担当スタッフインタビュー記事
https://enjoyworks.jp/times/075/
*「数字で読むエンジョイワークス」は、エンジョイワークスの仕事・仕掛けを数字から切り取って分析してみようという連載記事です。月1回掲載していきますので、お楽しみに。
・先月の記事はこちら
2025/06/03
2025/06/03