エンジョイワークスが創業したのは2007年。湘南・鎌倉を拠点に、不動産仲介から売買、建築設計や場の運営、ファンドや人材育成、さらには空き家のDXなど、まさに「不動産業の領域」を拡大させていますが、原点となっている「不動産仲介・売買」のスタイルは当時から変わっていません。
一般的に不動産の営業活動というと、顧客の希望条件に合う物件を提案して取引する。「売る(貸す)人」と「買う(借りる)人」という関係性。そもそもエンジョイは創業に際して、「街や地域を活性化させるために(まちづくりと言う文脈で)何ができるのか」という視点を持っており、不動産はそのきっかけづくりや仕掛けという存在。だから、物件の立地や価格といった表面的な条件は少し後回しにして、顧客のライフスタイルや価値観に深く寄り添い、地域とのつながりを重視した提案が営業のスタイルなのです。まずは、エリアを案内してBBQして、海に行って、そのまま物件は案内せずに終わり―なんてこともあったとか。「こんなライフスタイル、この町にあるけどどう?」「まずは町の人と仲良くなってから物件を探すのはどう?」といった感じです。
これを象徴しているのが、「エンジョイスタイル」というウェブサイト。創業から1年と少し経った2009年に開設しました。見ていただくと(読んでいただくと)分かると思いますが、不動産物件サイトと言うには…情報の投げ方がちょっと違う。物件の価格や細かなスペックは少しだけ後回し。ストーリーのある「タイトル」から始まります。“激アツの「秋谷」で起こる人生のイノベーション”とか“満天の星空と半農半漁、三浦BASEで遊び尽くせ”“天空の店舗兼住宅に興味ある人集まれ”などなど。営業担当者が「自分だったらこういう風に暮らしたい」「ここがこの物件の(私の)推し!」「この物件のある町はこんなところだよ!」というポイントを飾らずに語りつくす。いわばプレゼン型物件紹介とも言えるでしょうか。
そんな風にしてこのサイトでこれまで公開した物件のストーリーは、トータルで6746本(1年で約450本、毎日1本以上の更新…!)。物件ひとつひとつに、書き手視点のストーリーがあって、前述のタイトル含めて、どれも彼らなりの「ワクワク」が詰まっています。始めて15年ですから当初は試行錯誤で、代表の福田も書いており、営業スタッフ以外に社外の方にも担当頂いていた時期もあったとか。書き手の「顔」が垣間見える記事たち。ここからライフスタイルを膨らませてほしい―そんな思いを読み取って(受け取って)頂けると嬉しいです。
実際の記事の体裁。担当者が写真も動画も撮る、自分で書く・語る。湘南・三浦半島のライフスタイルを想像してもらう「仕掛け」なのです
そしてこの「エンジョイスタイル」に登録している会員の数は、約9700人。地域特化型のこのサイトを見て、もっと物件を知りたい、見てみたいと興味を持った方に登録いただいています(会員限定の物件もあります!)。それこそ15年積み重ねてきた「数字」ではあるのですが、これはもっと深く言えば、これは顔の見える地域の「仲間」(と潜在的な仲間)の数。もちろん物件を探すという目的ではあるのですが、私たちが提案するライフスタイルや地域の価値観に共感している方々とも言えそう。つまり、この地域での生活を共に築き上げる、共感を持って地域に積極的に関わる「仲間」を増やしてきたということ。
私たちは、この「仲間」の関係を大切にしていて、実際に不動産営業部のスタッフだけでなくエンジョイ社員の多くがこの町(葉山や鎌倉、三浦半島)に暮らす「まちの一員」。地元のイベントで会ったり、一緒に催しを開いたり仕事に発展したり、私たちの企画する物件巡りツアー(OPEN HOUSE WEEKEND)にも協力いただいたり、どこか緩く「つながっている」関係性の数とも言えるのです。
*「数字で読むエンジョイワークス」は、エンジョイワークスの仕事・仕掛けを数字から切り取って分析してみようという連載記事です。月1回掲載していきますので、お楽しみに。
2025/05/06
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