国内で高度経済成長の時代(1960〜80年代)、各地に生まれた「保養所」。レジャー産業の発展とともに、自治体がこぞって宿泊施設を開設しました。公共の温泉やスキー場、キャンプ場なども一帯に整備して、環境の良い立地と比較的安価な宿泊料金で家族連れを中心に利用が進みました。それが一転、バブル崩壊後の90年代後半以降、財政難や施設の老朽化などから、維持管理の負担が課題になっていったのです。併せて、民間事業者によるリゾート施設の開発もアップデートされていくなど、価格だけでない「付加価値体験」などサービスの質へと需要も変化し、自治体の保養所との格差が拡大していきました。運営が「本業」ではない…とはいえ、これら施設はいわゆる「公的不動産」の一部。財政負担を減らすための施設の統廃合や指定管理者制度による民間やNPOへの運営委託、売却や閉鎖…など、「その後」に頭を悩ましている自治体も少なくありません。
再生や新たな運用には、さまざまな手法がありますが、単なる宿泊施設としてではなく、地域活性化や観光振興、健康増進の場として活用されるケースが増えています。エコツーリズムや文化・歴史体験型アクティビティの拠点、地元の食材を活かしたグルメツーリズムを組み合わせた宿泊・体験型施設…などへ転換することで、観光客を増やし、地域経済につなげる狙いもあります。従来の自治体の硬直的な経営ではなく、(売却や委託により)民間のノウハウを活かすことで、収益性の向上はもちろん、新たな利用者層へのアプローチも可能になるのです。
もともと公営ですから、地域の自然環境や観光資源を活かした好立地。これを活かさない手はない…!この春、広島県の安芸太田町で、元・町営の宿泊施設を再生するプロジェクトがスタートします。島根県との県境にある人口5300人ほどの町。2017年まで町直営の宿泊施設として稼働していた(現在閉館中の)「龍頭ハウス」を、不動産投資ファンドを活用しながら再生していきます。建物自体は、町が合併する前の筒賀村時代の1996年に開業、町が運営を退いてからは公益社団法人によって場の利用がされてきましたが、現在は空き施設の状態。これをファンド(エンジョイワークスの「ハロー! RENOVATION」)で調達した資金で購入し、「自然豊かな観光資源があるアクティビティ好きの滞在拠点」――森林セラピー🄬の聖地として再整備します。
安芸太田町の観光PRウェブサイト https://cs-akiota.or.jp/
滝やダム、棚田…など、マイナスイオンと目にも優しい緑が広がる安芸太田町
この町は、広大な中国山地の豊かな自然に囲まれていて、2012年3月に県内で初めて「森林セラピー基地🄬」として認定されました。里山ガイド(森林セラピスト、セラピーガイド)によるプログラムもあり、観光と健康を融合したヘルスツーリズムのまちづくり事業「森林セラピー🄬のまち」を推進しているところ。町にとって(龍頭ハウス)は、遊休の不動産だったので、民間へ売却することで負の資産を解消すると同時に、観光の宿泊拠点が増えることは大きなメリット。関係人口の創出(宿泊者の増加、移住者等の受入れ増)にもつなげることができれば、まさに三方よし四方よし…となるでしょう。
このように、民間事業者がコンセプトを再構築して建物を再生する…という事業は、他にも同様の事例がありますが、このプロジェクトがほかと異なるのは、運営事業者のグローバルリゾートレジデンスが広島県内やこの物件の近隣でホテル再生を多数手がけているということ。同社は「不動産・旅館業から支える持続可能な物件の再生と地域振興」「今あるものを最大限に生かす」という方針を掲げているだけでなく、拠点連携による人件費、清掃費の支出削減や宿泊客の相互送客ができるのも強み。地元事業者として、広島空港―瀬戸内海―山間部の観光地を結びつけた広域モデルも描いています。
グローバルリゾートレジデンスのウェブサイト
https://global-resort-residence.com/
そしてもう一つ、特徴的なのは、運営継続のその後、「出口戦略」を見据えていること。この事業は「買取再販」なので、建物をリノベーションして、さらに施設のポテンシャルと価値を上げて、数年後には稼げる物件として売却する方針です。こうして投資の循環を回すことも、地域経済の活性化につながるという考えなのです。
元「公共の宿」を“稼げる宿”に再生していきます
「龍頭ハウス」。最初の開業からこの名前ですが、自治体の保養所というと「保養センター」「○○館」「○○荘」「いこいの○○」という名称がつきもの。もともと“ハウス”と名付けられていたなんて、今日的でもあります。その名をそのまま引き継いだこのプロジェクト。小さな町の元町営保養所が、地域の大きな資源になる。そんな挑戦に注目ください。
「龍頭ハウス」を拠点に、自然やアクティビティを楽しむ。そんなイメージ!
【広島安芸太田町リゾート再生ファンド】
自然豊かな広島県の秘境でリトリート宿泊施設を再生
リスク含むファンドの詳細はこちら
https://hello-renovation.jp/renovations/25917
※出資金から、年額最大3.3%(税込)の管理報酬、ファンドによりアップフロントフィー(初年度定額)、その他銀行手数料等をご負担頂きます。
※事業の状況により、利益の分配が行われない可能性及び返還される出資金が元本を割る可能性があります。リスクの内容や性質はファンドごとに異なります。詳しくはハロー!RENOVATION の「ファンド情報」から内容をご確認頂き、当該ファンドの匿名組合契約書、契約前交付書面、契約時交付書面等をよくお読みください。
※ファンド持分の譲渡は制限されています。 株式会社エンジョイワークス 不動産特定共同事業者[金融庁長官・国士交通大臣 第114 号]
※不動産特定共同事業のファンドにおいて、株式会社エンジョイワークスは、当事者として不動産特定共同事業法第2 条第3 項第2 号の匿名組合型契約を出資者と締結、又は取扱者として契約締結の媒介を行います。