不動産の中古市場でいま、注目されているサービス「買取再販」。不動産事業者が物件を取得して、水回りなどをしっかりとリノベーション・リフォームして売り出すという方式です。空き家や中古住宅が増加する中で、個人が購入してリノベする。そんな方法もありますが、築年数の経過した物件は、住宅性能が低かったり、設備が古かったり、隠れた場所の損傷やリフォーム費用など「蓋を開けてみないと分からない」という現実問題もあります。その点、不動産のプロが購入して「各所を点検したうえで新築並の機能に変えた中古物件(買取再販物件)」はそうしたリスクも低く、既存住宅・リフォーム市場の活性化にもつながります。住宅スペックを上げて再販し、中古市場やリフォーム市場の活性化や空き家の有効活用につなげる。エンジョイワークスも不動産事業者として、この分野に挑戦しています。
各地の地元事業者とタッグを組んで展開しているのですが、いま進行中のプロジェクト地は静岡県掛川市。物件は築50年の平屋、敷地面積は約400㎡という余裕のある立地。最近、不動産業界では「庭付き」「平屋」が人気なのですが、新築で建てるにはそれなりの敷地が必要ですし、日当たりなどを考えると自由度が狭まります。こうした条件も「中古物件」の優位性かもしれません。
「THE・地方郊外」な平屋庭付き。築年数が経っているため、内装はまさに昭和。ここに住み替えるイメージを膨らませるのはなかなか難しい…
そして重要なのが、リノベーションの方向性。建売住宅でもよくあると思うのですが「ここに収納が欲しかった」とか「部屋数が少なくても良いから広くしてほしい」とか、あと一歩足りないなというパターン。今回のリノベでは、ガッチリした完成形ではなくて、可変性を楽しんでもらう。間仕切壁やドアは極限まで減らし、各部屋が広々とした空間となるように設計しています。住む人自身が暮らしていく中で家をアップデートしていく。そんな「暮らし方を育むライフスタイル」をイメージしています。デザインスペックは新築並だけれど、暮らしながらカスタマイズできるという訳です。
エンジョイワークスの設計士が何度も足を運んで、「活かすところ」を抽出。内覧会ではこうした基礎土台も見ることができます
母屋の隣には大きな倉庫があって、DIYができるガレージとして再生する予定。まさに、「自分たちで暮らしをつくっていきたい」という人にとって最適な我が家になるのではないでしょうか? 「まずは家から、自分たちの手を加えて暮らしを作ってみようと思えるような余白を作り、暮らしの想像がしやすい状態にしたい―そんなことを想像しながらアイデアを練りました」とエンジョイワークスの設計担当者。完成はこの春。その前に、リノベの過程を見ることができる物件内覧会を実施します。設計・施工・不動産の各スペシャリストが現地でリノベのポイントを解説。今、人気の平屋ライフが気になる、躯体を見てみたい、広い敷地でできることを妄想してみたい…など、暮らしと住まいについて考えるきっかけになれば嬉しいです。
リノベ中の室内をじっくり見ることができるのは貴重。こう見ると、新築とさして変わらない!?
【OPEN HOUSE UNDER RENOVATION ! 平屋リノベーション物件内覧会】
日時:2月22日(土)10:00~15:00(都合のよいお時間に来場ください)
参加無料、会場では豚汁などを用意しています!
所在地: 静岡県掛川市下垂木2063(天竜浜名湖鉄道 「桜木駅」 から徒歩15分)
事前申し込みはこちら
https://ewform.enjoyworks.jp/index.php?id=1689
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この物件は、エンジョイワークスの「買取再販ファンド」を使って取得したもの(掛川・空き家買取再販ファンド1号)。投資で集めた資金で物件を購入し、リノベーションして販売(再販)する。「キャピタルゲイン型」のファンドです。投資の運用期間は10カ月、運用の想定利回り(年率・税引き前)9.0%。現在は運用期間中で今年8月に終了(償還)となる予定。不動産事業者が買取再販を手掛ける際、まずは物件を購入しなければなりません。事業者用のローンや融資もありますが、ファンドは規模や資金調達期間など柔軟に対応できるので、自己資金リスクを抑えながら事業を拡大することも可能です。
私たちのファンドでは、投資家に対して、投資期間中の事業の進捗や物件再生後の運営なども「IRレポート」で定期的にお知らせしています。投資した空き家再生事業が、どのように生まれ変わったのか? そんなことにも関心を持ってもらうことも大切だと思っています。
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物件を「貸す」「売る」…という選択肢だけでない不動産事業者の新たな役割。それが、「空き家を使いに行く」。買取再販は、その手段の一つとして活用が広がりそうです。