大きな通りから一本、二本入ったところに続く小さい道、こみち。この町にそんな細い道ができたのは、理由があった――。
エンジョイワークスが12月に開いたイベント「こみちツアー」。葉山町内の「こみち」を歩きめぐるプログラムなのですが、ただの‟まちあるき”とはちょっと違うのです。そのはじまりは2000年代。葉山町内で活動するNPO法人葉山環境文化デザイン集団の活動が原点です。地元のこみちや景観の魅力を記した書籍「葉山のこみち」(2005年刊)をたどる形でツアーを定期開催していましたが、これを私たちが企画に加わってアップデートして、一昨年から再開したという訳です。
NPO法人葉山環境文化デザイン集団ウェブサイト
https://www.hayama-design.org/
話は戻って、なぜ、「葉山のこみち」なのか。葉山御用邸で知られるこの町は、戦前から別荘地として知られていました。特に、皇族や華族、実業家、政治家などの別荘があり、少し奥まった‟その場所に至るためだけ”に作られた道がいわゆる「こみち」。そこには、この町独自の風情や景色があるのです。
まちを知る、まちを感じる
今回のツアーの参加者は11人。葉山花の木公園からスタートし、「一色」エリアへ。御用邸近くの海の見えるこみちを散策しながら、今回は、「葉山暮らし」を楽しんでいる方のお宅へも足を伸ばしました。ちょうど、町内で小学校の駅伝大会があり、賑わっている町の様子にも触れることができました。町内在住の参加者からは「まちを(自分の目線で)知ることのできるイベントがあるのは嬉しい」との感想も。移住したばかりの方もいて、「葉山が好きな人たちとつながるきっかけになった」「この先にどんな景色があるのか、とワクワク感たっぷりのまち歩きでした」「葉山に住んでいる方の“葉山愛”が感じられた」と、有意義な時間となったようです。
当日の案内は、こみちの魅力を知り尽くしているNPO法人葉山環境文化デザイン集団のメンバー。イベント運営は、インターンの大学生が担当しました。企画のリニューアル当初から関わってくれている2人で、「葉山のまちづくりに関心がある」「地元の良さを多くの人にもっと知ってほしい」と参加してくれています。
インターン生が中心になって運営しているツアーInstagram「葉山のこみち」
https://www.instagram.com/hayamanokomichi/
イベント後のアンケートでは「葉山の海の自然にも触れたい」「葉山の昔ながらの暮らしを感じたり体験できたりするツアーはどう?」「こみちにある植物を紹介しながら歩く企画があってもいいかな」…そんなアイデアも頂きました。参加者全員「非常に満足した!」との回答も。今後の開催は未定ですが、「暖かくなったころに企画できれば」と担当の鷹取真衣(エンジョイワークス事業企画部)。「今回のように、こみちを歩いた先にある暮らしや自然・人を感じることのできるツアーにしたい」とのこと。こみちのファンがつながり、まちや「まちづくり」の目線が広く深くなる。そんなイベントに成長させていきたいと思います。