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秋空の下、秋谷で思ったこと。ワークライフハーモニーを奏でられる場所で/モノクローム代表・梅田優祐さんインタビュー①

Interview 公開日:2024.11.05

まさに「秋空」のさわやかで澄んだブルーがまぶしい10月上旬、横須賀市の「秋谷」で開催された「Soil work FES」。会場となったのは、相模湾を一望する高台にある通称「秋谷village」です。このエリアに魅了され、元保育施設だった建物の再生に乗り出し、‟秋谷の仲間”を増やし始めているのが、株式会社モノクローム代表の梅田優祐さん。静かな海辺の町のポテンシャルは? このエリアの「これから」の期待値は? インタビューの第1回目は、それを紐解いていきます。*インタビュー2回目続きの記事はこちら(取材:ENJOYWORKS TIMES 佐藤朋子)

――「Soil work FES」のトークセッションで、開口一番「(秋谷を)南葉山と言わないで」と冗談めかしておっしゃっていたのが印象的でした。梅田さんの感じている、この町の独自性やポテンシャルを教えてください。
場所のロケーションや開放感は、来ていただければ納得していただけるとして、不動産の売り出し戦略でしょうが、このエリアで「南葉山」という名称を使っていて、「秋谷」という地名を使っていないのは良くないな、と思っています。葉山じゃないというのを強調するのはおこがましいとは思うのですが(笑)。僕は、港区の高層マンションから葉山に移住してきて数年暮らして、その隣町の秋谷にたどり着いたのですが、個性があって計画されて作られた町じゃない、混在している感じがすごくいいなぁと思っています。

横須賀市内ではあるけど、多くの方が持っている「横須賀」のイメージとはちょっと違っていて*、土地や人の個性もあって。その「個性」が身近のあちこちで混ざっていくところが、僕にとってはすごく心地良い場所で。混ざり合って何かを生んでいくとか、広げていくとかっていうのが、たぶんこの場所に詰まっていると感じています。
*神奈川県東南部の三浦半島の大部分を占める横須賀市は東側に東京湾、西側に相模湾を臨む海の景色も異なる町。スカジャンなどのカルチャーや軍港があるのは東京湾側で、秋谷を含む「西海岸」と呼ばれるエリアは相模湾側。鎌倉・逗子・葉山から湾沿いにつながる位置

暮らしという面で見ても、程よい距離感があるんですよね。僕は地元の子ども会にも関わっているのですが、秋には60年くらい続く健民運動会(町内会の運動会)というのがあって、秋谷や佐島、芦名といった小さな町の対抗戦で、リレーや応援合戦もあって。そういうものが続いている歴史もあるけれど、ただ、参加は強制ではないし、抑圧されない余裕があって、それぞれに楽しんでいる。ここは、代々住んでいる人もいれば、僕みたいに移住してきた人も、別荘などがあって週末で来る人も。いろんな層の人たちが混ざりあって、緩やかに土地に誇りを持っているっていうのかな。

「マジックアワー」と言われる日暮れの情景は格別。そんな景色ひとつとっても余裕のある時間と空間がある

――そのなかで、秋谷を象徴する拠点の一つになっているのが、秋谷villageではないでしょうか? 「立ち上げ人」でもある梅田さんご自身が描いている場のイメージや将来像があれば教えてください。
この施設自体は、もともと保育施設で長い間、しばらく使われていない場所でした。 初めて見た時は窓ガラスも割れ、雑草で覆い尽くされている…まさに“廃墟”でしたが、この建物と場所にすごいポテンシャルを感じました。細かい部分は決めてなかったのですけど、自社(モノクローム)もオフィスが必要だな、という事情もあったし、(エンジョイワークスの)福田さんとの話でも、こっち側にオフィスあるといいよね…という話があったり。ボトムアップで周囲からそういう声があったから、「じゃあこの場所をオフィスにしてみよう」と、話が進んで。そこに岡さん(全国で地域と密着したコワーキングオフィスを展開するソフトディベロッパーの株式会社Staple代表)に出会って、彼らが「運営するよ!」と繋がっていきました。偶然なのか必然なのか、全部が重なっていったような形ですよね。

改修後の施設の様子(写真左)、芝生にサッカーゴール、サウナもある。1・2階はコワーキングの会員の利用スペース(写真右)

「こう使いたい(使ってほしい)」という固まったビジョンではなくて、今、ボトムアップの場づくりが少しずつ積み重なってきたかなという体感です。(エンジョイワークスの)福田さんとは、共通の友人とのBBQで関係が始まって。この町で何かやりたいという人たちを後押ししている、まちづくりのプロとの出会いは大きかった。Stapleの岡さんとも。だから、みんなで場所を造りながら空間を創っていこうかなと、というのが秋谷villageの始まり。

10/12に行われた「Soil work FES」の様子を上空から。大楠山から連なる緑のふもとに生まれた秋谷village

自社では、太陽光発電を中心に「エネルギーの地産地消」を実現するシステムを開発していて、この秋谷villageでも実践しています。昨日も大企業の方々が皆さんツアーでこの施設やうちの事業を視察しに来てくれました。秋谷villageの敷地全体のプランは、実はまだまだ完成してないんですけど、「何かが生まれる場所」として、広げていけたらなと思っています。内心では「こんなところまで、誰か来るのだろう」という気持ちもあったのですが、さまざまな方々が来て頂けるようになり嬉しい限りです。

少し前に描いてもらったという秋谷の構想スケッチ。水源の利用なども頭に描いているそう

――秋谷villageを拠点にしているSoil workの会員さん業種もバラエティですよね。
少し大きな例で言うと、アメリカのシリコンバレーって、壮大な計画が先にあって、今の形になった訳ではなくて、もともと地域内の小さなスタートアップや学校からボトムアップ的に始まったんですよね。ひとつの会社だけでない掛け算から、世界を動かす産業が生まれて「シリコンバレー」に成長したということ。秋谷がシリコンバレーのようになって欲しいとは全く思っていませんが、ローカルから自然に生まれるものを大切にしたいという想いはとてもあります。なにか狙って作り出すのではなく、 会員同士や地域の方々とのコラボレーションが自然体で生まれていて、想像の域を超えていく――そんな楽しみがあります。

秋谷villageも今の状態は1年前、全く思い描いていなかったけど、そうすると、来年再来年、じゃあ10年後にどういう形になっているか。「想像域」をうまく超えていく場所になるだろうなっていう期待感は大きいです。予測できない感じ。

――そんな場所でライフとワークが上手く混ざりあっている。
大学卒業して最初にコンサルティング会社で勤めていた時は、毎日生き延びるのが必死でした。ただ、何かもっと自分が熱中できるものをずっと探していて、28歳で起業してUZABASEを始めた時に、「これだ!」みたいな。マンションの一室で仲間と寝袋を抱えて鍋を囲んで、仲間たちと本当に自由を手に入れたというか、本当に楽しくて。あの時も一人じゃなかなかできなかったのを、仲間たちが一緒にやろうと言ってくれて一歩踏み出せた。小さなものでも成功体験があると、じゃあ次もやってみようというマインドが生まれて。自分自身が感動すること、こみ上げていることに素直でいたいなと思うようになっていました。(2回目の起業は)また一から積み上げか、と思いながらも楽しくやっちゃってる。せっかくだから2回目の起業は、本社は東京ではなく、生活の基盤のある秋谷にしようと思うようになっていました。

秋谷の唯一無二なところは、そのいろんな生き方をしている大人がたくさんいる。漁師やイラストレーター、サーフィンのシェーパーもいれば、世界有数の投資会社のマネージングディレクターやITの起業家などなど。いろんな生き方が身近に混在している。子どもたちの生活環境としてもすごくいいなと思っていて。仕事や想いが生活と地続きで、混ざりあっている。だから、ライフとワークのバランスではなくて、アマゾンのジェフ・ベゾスが言っているワークとライフの境界を曖昧にする「ワークライフハーモニー」という考えのほうが僕は好きです。

それでは、なぜ秋谷に? なぜ太陽光発電? ……それらの道のりはインタビューの第2回で。

■梅田さんが代表を務める株式会社モノクロームのウェブサイト
https://www.monochrome.so/
■秋谷village(Soil work Akiya village)ウェブページ
https://soilis.co/work/akiya/
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起業は出産と似ているのかもしれない…そんな言葉で表現していた梅田さん。産みの苦しみもあるけど、育てる環境をみんなで作っていく、混ざりあって成長していく。事業の展開もまちづくりも(子育ても)、気付けば同じマインドかもしれません。その土台を育むワークとライフの心地よい「ハーモニー」が奏でられる町、秋谷。梅田さん自身も、また新たな「混ざりあい」の挑戦も始めるところだとか。この場所で、人とアイデアと技術が、どのように絡み合うのか…目が離せません!

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