コロナ禍で市場が変わったもののひとつにDIYがあります。DO IT YOURSELF――木工の作業だけでなく、雑貨やインテリアの制作、壁紙や床の修繕・張り替えなど、簡単なものから大がかりな作業まで幅広く、自分のイメージを形にして、カスタマイズしていくという「おもしろさ、ワクワク感」があります。DIY自体は、時代問わず人気ではあったのですが、ここ数年、こだわりが深まった&入口が広がったと言えそうです。
私たち、エンジョイワークスの手掛ける大規模プロジェクト、横須賀市の「旧市営田浦月見台住宅」も、キーワードのひとつがDIY。築60年超の“昭和の平屋”が連なる旧市営住宅の利活用事業で、団地一帯…町の佇まいはそのままに、建物をリノベーションして、職住兼用の「なりわい住居」として展開する計画です。東京湾を臨む谷戸の高台にあるこの場所。職住の「職」の部分でイメージしているのは、クリエイティブな創作活動やギャラリー、ワークショップのほか、フードのショップなど。そして「住」に関しては、定住でも二拠点でも、暮らしながら営む生活スタイルです。
そこでキーワードとなるのが、リノベーションとDIY。コンクリート造と木造、2種類の建物があり、どちらもいわゆる“ザ・昭和”の間取りをスケルトンにするところからスタートします。土間打ちなどのベーシックなリノベーションは、全戸共通の「なりわい4点セット」にて。その次、お店や工房にするためのカスタマイズは、いくつか段階を用意しました。それがDIY3段階プラン。ガッチリ作り込みもやってみたい!という方から、できるだけプロにお任せして、できるところはやってみる…方まで、要望やスキル、挑戦マインドに合わせてプランを仕立てました。壁や天井はそのままにしておく? 水回り什器は自分で選んで入れてみる? そんな一つひとつのリノベーションをプチ体験できる仕組みです。
*外部塗装と内部解体(一部~全て)は「なりわい4点セット」による基本対応
過去2回、現地で行った見学会でも、このDIYについて多くの質問がありました。「せっかくだから、やってみたい!」「未経験だけど、教えてもらえるのであれば挑戦したい」などさまざま。開業までのプロセスとして、「自分の城(店やギャラリー)を自分の手で作っていくことこそ、クリエイティブな新しい町を体現するコンテンツ!」という、こちら側のちょっと前のめりの思いもあります。ただ、「いや…やったことないので、ちょっと不安。できればプロに手掛けてほしい」――と、心配な声も。箱を用意して終わり…ではないので、DIYのワークショップも実施する予定です。
田浦月見台住宅で入居用に用意しているのは50戸。「規格化されたリノベーションでは、おもしろくない」……! そして、このプロジェクトは、私たちが事業を手掛けるときに大事にしている言葉「ジブンゴト」を体現できる場でもあるのです。「まちびらき」は来年夏の予定。50通りの愛着のある「なりわいと暮らしの場」が生まれることを楽しみにしています。
当プロジェクトでは、現地でのプチ見学会も実施中。詳細はこちら
https://enjoystyles.jp/index.php?c=detail&id=6983
*個別の相談も受け付けています