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「中銀カプセル」には1970年代の技術の粋が詰まっていた!

Column 公開日:2024.09.24

強い個性を放った名建築、中銀カプセルタワービルが「ビル」ではなくなってから、ちょうど2年になります。解体が始まったのが、2022年の4月。そこから半年ほどかけて、カプセルを撤去する作業が続きました(解体工事完了は2022年10月3日)。普通のビルの解体と異なるのは、カプセル一つひとつをクレーンで動かしていくというところ。不思議な光景だったかもしれません。これらの「その後」はご存じの通り、美術館や博物館、アートスペースでの展示、という第二の人生を歩んでいます。

解体ののち「救出」されたカプセルの数々(画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト)

解体ひとつをとっても、これまで例がなかった訳ですが、その誕生や存在自体も、別次元だった「カプセル」。黒川紀章の「メタボリズム思想」を論じるうえで欠かせない建築物であるとともに、1970年代という「時代」を遡ると、その白い直方体のハコに込められた「ライフスタイルの目新しさ」も特筆すべき。そこには、当時の日本の技術が詰まっていたのです。

鋼体や床版、内装家具、オーディオ、バスルーム、空調…など、国内のさまざまな企業が参画しており、そのあたりは、通常の建築物と変わりがなさそうなのですが、いかんせんカプセルは制限あるサイズ。約10㎡…6畳ほどのスペースに「暮らし」の機能をオーダーメイドで詰め込んだ形です。例えばバスルーム。カプセル用のユニットバスを手掛けたのは愛知県常滑市の伊奈製陶(現・LIXIL)。浴槽・洗面台・トイレが一緒になった「3点ユニットバス」は日本の発祥で、1960年代に東京五輪を機にホテルの開業が増えて、一室に収まるように規格化されたのが量産のきっかけと言われています。とはいえ、ホテルよりも小さいこの限られたスペースに「ユニットバス」を作るというのは、当時としては難しいミッションだったことでしょう。実用性と機能性、そしてデザイン性。そのせめぎ合いで、新たな商品が生まれる。こうした企業の努力が積み重なってカプセルが構成されていたことに、改めて気付かされます。

ユニットバスのドアも近未来的(写真出典:株式会社LIXILイベントリリースより)

*伊奈製陶によるカプセルトークセッション「住んだ人とつくった人 中銀カプセルタワービルのユニットバス」(10/12開催)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000596.000015099.html

伊奈製陶の社外向けPR誌『伊奈だより』176号より(1972年3月1日発行)(提供:INAXライブミュージアム )

枕元に世界のSONY

テレビなどオーディオに関しては、SONY製を備え付け。オープンリールのデッキはオプションだったとか。当時としては最新鋭で、デジタル時計や電話、さらに小さな冷蔵庫(SANYO製)も。「小さく収める」という技術に長けた日本人ならではの挑戦でもあったのかもしれません。「最小限」の生活機器を詰め込んで、いわば「やっと」なので、キッチンや洗濯機を置くスペースはありませんでした。「ビジネスマンのセカンドハウス」というコンセプト、さらには銀座という土地柄もあって、食事は外食やテイクアウトというイメージ。そのあたりは、現代人の暮らしとそう変わらず、やはり時代の先を行くライフスタイルが、ここで生まれていたのです。*SONY創業者の盛田昭夫氏がアメリカの「TIME」誌の表紙を飾ったのが、1971年。ちょうどカプセル竣工の前年で、海外での生産と販売が強化されていた時期

(当時のカプセルで)壁に備え付けられたオーディオ類。メカニックな雰囲気は宇宙船のよう

ちなみに、その建設も類を見ない形で、米原市内(滋賀県)の工場で完成したカプセルを1戸(1個)ずつ銀座まで運ぶという方式。これを現地で積み上げて、ボルトで固定する…そうして「タワー」が完成したのです。そこから約50年。解体という結末にたどり着くのですが、やはり、「オリジナルのカプセルを見たい!」という声も少なくありません。

私たちが現在進めている「カプセルヴィレッジプロジェクト」は、5つのカプセルを宿泊施設として、「泊まる」体験を提供するもの。横須賀市の南西部にある長井海の手公園「ソレイユの丘」で、再生が始まっています。4つの内装は公募デザインから。残る1つはこれら当時のオーディオ機器などをレストアしてオリジナルのカプセルを再現します。身の回りがデジタル化するなかで、一周回って当時の「技術の粋」をこの目で見ることができる貴重な機会です。

カプセルヴィレッジの実現に向けて、ファンドやスポンサーによる投資も募集中。「カプセルのオーナーになれる」…泊まれるカプセルを作るプロジェクトに、ぜひご注目ください!

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