2年、3年おきに開催されるアートイベント…ビエンナーレやトリエンナーレ。地域に人を呼び込む大規模美術展として、2000年ごろから国内でも開催する地域がポツポツと出てきました。例えば、横浜トリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭などは、現代アートの国際展としてスケールも大きいですが、それよりも前から、地域の「芸術祭」を続けているエリアがあります。それが私たちのホームグラウンド、神奈川県葉山町。「葉山芸術祭」の名称でスタートしたのが1993年のこと。今年で32回目の開催です。
「アートと地域のつながり」がテーマ軸で、自治体やスポンサーによる運営ではなく、地元からの発信によるアートイベントとして定着しています。地元の神社(森山神社)を会場にした青空アート市は、手づくりの各種クラフトやアート作品のブースが参道や境内に並ぶ芸術祭最大のプログラムなのですが、葉山芸術祭らしいスタイルなのが、オープンハウスでの展示。個人家屋をそのまま展示・イベント会場として公開していているのが特徴です。期間中はプロアマ問わず、作品やコレクションの展示、アートを背景にしたカフェ、ワークショップなど、緩やかな「アートとの関わり」を楽しむことができるのです。エリアは藤沢から横須賀の湘南~三浦半島。近隣の「オープンハウス」を訪ね歩いたり、週末の度に気になるところをチョイスして巡ったり。毎年100件近くの企画があって、今年の実施は4月20日(土)から5月12日(日)。春が近づくと、「芸術祭の時期だな」とプログラムの公開を心待ちにしている人も多いようです。
実は私たち、エンジョイワークスも毎年、「芸術祭」に参加しています。不動産事業者が?と思われるかもしれませんが、古民家再生などを通して「まちづくり」をしている立場で、「まちを知る・再発見する」…そんなプログラムを用意しています。今回は、葉山町で地元の団体からの相談を受けて私たちが再生を手掛け、地域交流拠点として運営している「平野邸Hayama」が会場。地域の方とともに保全活動を進めている東伏見宮葉山別邸などを辿る、葉山のまち歩き(こみちツアー)のほか、葉山町の地酒やひものピンチョスを楽しめる出店イベントなどを企画しています。昭和家屋の古民家から、葉山独自の別荘・避暑地の文化を知ってもらい、後世に伝えていくことも私たちの役割。「葉山芸術祭」だから、このような角度の参加も歓迎してもらえるのだと思っています。
ちなみに昨年も平野邸で、私たちが運営するサービスEATLO(地元シェフによる地元食材の)マルシェを実施。さらに、「春の葉山を五感で切り取る!」をテーマに親子の動画撮影イベントも開きました。カメラ片手に親子で実際に葉山町内を巡って撮影した「いいところ」を、その場で編集して上映会も実施。まちを知る・まちを楽しむエッセンスを共有しました。少し遡って2018年、私たちが葉山町で運営している泊まれる蔵「The Bath and Bed Hayama」を立ち上げる際には、芸術祭の参加企画として施設のコンセプトに関するワークショップ形式を数回、実施しました。地元のクリエイターやアーティストとのワークショップに、アート感度の高い「女子」たちが多数参加してくれました。芸術祭だったから、コンセプトづくりに知恵を働かせてくれる人を集めることができた…と言っても過言ではありません。それだけに、私たちにとっても、この芸術祭の参加には意味があるのです。
制限のないリアルなイベントが戻ってきて1年ちょっと。「芸術祭」は、葉山を知っている人も、これからもっと知りたい人にも、「まち」を知る絶好の機会の一つです。それに加えて、私たちのイベントを通して、地元の食やモノ、人との関わりを楽しめる場になれば嬉しいです。
葉山の100年を知るこみちツアー「ひものピンチョスと日本酒を縁側で」
日時:4月21日(日)12:00~17:00
会場:平野邸Hayama(葉山町堀内1833)
参加料:入場無料(ツアー参加は1000円)
問い合わせ:info@good-neighbors.link
イベント紹介ページ
https://good-neighbors.link/oshirase/11065/
平野邸Hayamaホームページ
https://hiranoteihayama.com/
葉山芸術祭ホームページ
https://www.hayama-artfes.org/
平野邸Hayamaのアーカイブ記事はこちら
https://enjoyworks.jp/times/001/