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「泊まれる蔵」はこうしてスタートした

Column 公開日:2024.02.13

日本には「蔵」で有名な町がいくつかあります。倉敷や川越、栃木、喜多方…など、「蔵のある町」として、既存の蔵を活かした街づくりを進めていますが、こうした場所だけに限らず、「日本独自の建物文化」と言ってもいいくらい、蔵を持っている家は全国各地に存在します。「大切なものを守ってくれる場所」として、馴染みある意匠ですが、一方でかつての用途を終えて、維持管理できず解体されたり、空き蔵(物置小屋)となっていたり。ようやくその利活用として、地域拠点やレストランに転用される例も出てきました。高い天井、外と遮る厚い壁。落ち着ける、守られている安心感のある場所という居心地の良さに、新たな価値を見出したのです。

私たち、エンジョイワークスが手掛ける「泊まれる蔵」も、ひとつの再生例。2018年に立ち上げた「The Bath & Bed Hayama」のプロジェクトには、こんなストーリーがあります。最初から「空き蔵を泊まれるようにしよう!」と始まったわけではありません。仲介や賃貸事業だけでなく、イベントなど、地域の人たちとの交流を通して知り合った大家さんから、空いている蔵の情報をもらったのが始まり。ちょうどその頃、地元の鉄道会社が「葉山女子旅きっぷ」を売り出していたり、葉山町が自治体としてInstagramを活用した移住促進や、まち歩きに力を入れていたり。そこで、「宿泊と滞在」というテーマを設定して、コンセプトづくりを始めたのです。

メインターゲットは若い女性。葉山を中心とした三浦半島の西側で毎年GW前後の約1ヶ月間、開催している「葉山芸術祭」のイベントの一環として、15人規模のワークショップを実施してアイデアを形にしていきました。近隣に暮らすクリエイターやアーティスト、スタイリストなどを講師に招いて、「(地元の)その道のプロと一緒に宿を作りあげる」を実践しました。「自分が泊まるならこんな空間がいい」とリアルな目線でイメージが湧き、それが形になるとあって、参加者にとっても貴重な体験となりました。そんなディスカッションを重ねた末に、「大きなお風呂と大きなベッドのみの非日常の空間」というコンセプトが出来上がりました。約20回のイベントでの参加者はトータル300人近く。まさに「みんな」で作った泊まれる蔵なのです。

The Bath & Bed Hayama外観(写真左)、2階はベッドのみのこんな空間が

開業から5年、ターゲットの「読み」の通り、宿泊の利用者は20~30代女性がほとんど。――(外観と)ギャップがあってよかった。蔵を利用したこだわりのリノベーションがとにかくお洒落。外観も室内も非日常を感じられて、ゆったりと過ごせた。 外見からは想像出来ない隠れ家感が良かった――と反応も良く、みんなでアイデアを重ねた「The Bath & Bed」のブランドコンセプトも、ちゃんと伝わっているようです。

大きなバスルームとベッドルームというシンプルかつ贅沢な室内(写真左:小布施/同右:佐久穂)

「空いている蔵がある」という何気ない声をきっかけに生まれた「The Bath & Bed」。持ち主から託されたのは、不動産事業者の私たちでした。そして、「場づくり」のノウハウと運営資金を賄う「ファンド」の仕組みがあったからこそ、アイデアを形にできたのです。「不動産業」というと、買いたい(借りたい)人と売りたい(貸したい)人とのマッチング、というイメージかもしれません。それが、物件の紹介にとどまらず、普段から地域の人たちとさまざまなコミュニケーションを重ねることで、「まちを元気にするには?」「人が混ざり合う場を作るには?」という視点が生まれたのです。これは地域で活動していく中で、切っても切れないことではないでしょうか。

「エンジョイワークスって何の会社」って、聞かれることがあります。手がける事業は段々と広がってきましたが、全ては「みんなで一緒にまちづくりを」につながっています。

「The Bath & Bed Hayama」をきっかけに始まった「泊まれる蔵」のプロジェクトも今、全国に広がっています。この冬、開業した長野県の小布施と佐久穂、富山県の立山に続いて、これから愛媛県の道後や、栃木県の鹿沼などで事業がスタートします。場を作るだけでなく、「みんなで(Team)」という最初の思いを変わらず持ち続けて走り続けています。

The Bath & Bed Teamホームページ
https://bathandbed.team/

2/17(土)開催、BBTサミット!
全国へ展開を広げる節目に、「BBTサミット」と題し、泊まれる蔵プロジェクトの「これまで」の活動報告と「これから」のプランをお話させていただく機会を設けました。すでにThe Bath & Bed Hayamaから応援くださったている方も、The Bath & Bedをまだ知らない方、所有している蔵を活用したい人もぜひご参加ください!

■概要
日程:2024年2月17日(土)13:00〜16:00(オンライン開催)
■当日の流れ
13:00-13:15 The Bath & Bedって??
13:15-14:15 第1部The Bath&Bed Hayamaのなりたち
14:15-14:45 第2部The Bath&Bed Obuse・Sakuho・Tateyamaの紹介
14:45-15:30 第3部The Bath&Bedをさらに全国へ

詳細はこちら
https://hello-renovation.jp/news/detail/22191

蔵の再生を手掛けるエンジョイワークスの建築士による解説動画もご覧ください!
蔵ならではの構造や工法、リノベーションのイメージなどをプロ目線で紹介しています。
【設計士くみこ、リノベの旅 ~道後の蔵へ行く~】
https://www.youtube.com/watch?v=4T5vy_HZlPU

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株式会社 エンジョイワークス

令和6年度 国土交通省PPP協定パートナー
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一級建築士事務所 [神奈川県知事登録 第16506号]
不動産特定共同事業者 [金融庁長官・国土交通大臣 第114号]
(第1号、2号、3号、4号に掲げる事業を行う)
第二種金融商品取引業 [関東財務局長(金商)第3148号]
住宅宿泊管理業者 [国土交通大臣(02)第F00604号]
(関連会社グッドネイバーズにて取得)

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