スケルトン。英語で言うと「骨格」という意味。建築用語では、柱や梁、屋根の骨組みを表しています。建物の構成をシンプルに考えると、構造躯体「スケルトン」に、内装や設備の「インフィル」が組み合わさっている―ということになります。私たち、エンジョイワークスがプロデュースする住宅商品「スケルトンハウス」は、その言葉のまま、内装自由なスケルトンな箱。2017年にはグッドデザイン賞を受賞しています。
決まった間取りではなくて、住む人のライフスタイル、ライフステージに合わせて変えることができるというのが、最大の特徴。階段や窓の位置、キッチンスペースの広さ、庭の見え方――などなど、その家ならでは「こだわり」ポイントもぎゅっと詰められています。「スケルトンハウス」の数だけ、それぞれのストーリーがあるのです。
「スケルトンハウスは、自分で『手を掛け』て暮らしを作るための『仕掛け』ともいえるかもしれません」と話すのは、エンジョイワークス建築設計部、マネージャーの藤川結華。プリミティブでシンプルな構造や、「なぜスケルトンなのか?」だけでなく、「いまの時代に合った、スケルトンとは?」「スケルトンを通じて、住まいだけでなく暮らしも深掘りしてみたい」――。そんな思いから「頭を動かして、暮らしと住まいを考えるきっかけ」として、昨年8月から6回シリーズで「スケルトンハウストークイベント」も開催しています。
トークのホストを務めるのは、土谷貞雄さん。「無印良品の家」(現・株式会社MUJI HOUSE)の開発に従事し、独立後は無印良品のコミュニケーションサイト「くらしの良品研究所」やwebサイト「みんなで考える住まいのかたち」の企画・運営にも携わっており、現代の暮らしについての調査やフィールドワーク、執筆など広く活動されている方。トークイベントは、「食の手仕事」だったり、「コミュニティ」「生態系」といった、さまざまなジャンルの専門家を招いて、その視点との掛け合わせの妙を学んでみようという企画です。
その意図を、藤川はこう話します。「家を今すぐに建てるという人ではなくても、『家の選択肢』はたくさんあるということを、まず知ってほしい」と。トークイベントを通して「自分にとっての心地良いコミュニティとは? 自分はどんな暮らしをしたいのか? など、『自分が大切にしていること』をベースに、家の在り方、インフィルで優先したいものを考えることにもつながればいいな、と思います」
例えば、第1回のゲストに招いたのは、スープ作家の有賀薫さん。家とスープ? 一見、関わりがないように見えますが、「⼿間暇かけて⾃分で料理をする楽しさや喜び」は「家づくり」にも通じるもの。ミングル(スープ用の小さな作業台&キッチン)を設けて、食を中心にしたライフスタイルを実現している有賀さん。そのお話には「暮らしと住まいの考え方」が詰まっていました。
「このトークイベント、実は、建築設計部としては初めての独自イベントなんです。いちばん楽しんでいるのは私たちかもしれません。スケルトンハウスという商品の解像度を深める機会として、スタッフのボトムアップにもなっていると思います」(藤川)。シリーズ第5回目となる次回の開催は、1月27日(土)。ゲストには、建築家の山田貴宏さんを招きます。「パーマカルチャー(人と自然が共存する社会をつくるためのデザイン手法)」を専門としている山田さんに登場いただき、「環境に寄り添う建築のあり方」をテーマに、自然と調和する建築・住まいについてお話しいただきます。
「スケルトンハウス」にあるのは、骨組みの規格だけ。世界に一つだけの「インフィル」は、その人、その家族だけの「ライフスタイル」を体現するパーツとも言えます。まっさらなスケルトンに何を描くのか。暮らしや住まいの中心に、何を置きたいか。そんな視点が加わると、家づくりがもっと深く、楽しくなるかもしれません。
スケルトンハウストークイベント概要
2024年1月27日(土) 17:00から18:00
開催方法:オンライン/参加費:無料
申し込み:https://enjoystyles.jp/index.php?c=news&id=559
SKELETONHOUSE(スケルトンハウス)ホームページ
https://theskeletonhouse.com/