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商店街で「育つ」会社、 空き店舗再生とリノベのリアルな実践例

Column 公開日:2024.07.01

会社の「オフィス」と言うと、ビルの何階かに入っていて、駅を起点に通勤するイメージ。私たちのオフィスはちょっと違います。鎌倉市の由比ガ浜にある今の「本社」は、布団店の2階をリノベーションしたフロアで、そこから3分ほど歩いた場所にあるもう一つのオフィスは元魚屋さんだった場所にあるカフェ。その一角に社員が机を並べています。さらに2軒隣りの定食屋さんから「スペースを半分にしたい」と相談を受けて改修し、半分を管理部門の社員が使うオフィスにしました。そして鎌倉から車で30分ちょっとの横須賀市秋谷のオフィスは、かつて保育施設だったという建物(Soil work Akiya Village)。この一部を借りて2024年初めに新たな拠点を設けました。共通点は、リノベーションした物件ということ。私たちにとって、オフィス=リノベ物件なのです。

エンジョイワークスの創業は2007年。当初は都内に本社を置いていたのですが、湘南エリアの不動産仲介や売買を中心に事業を展開しており、鎌倉に事務所(本社)を持ちたいと思っていました。とはいえ、お客さんとの関係性を深めながら物件を案内していく営業手法と、湘南エリアのライフスタイルや家づくりを事業の軸に据えていたので、よくある「駅前がマスト」ではありませんでした。加えて観光客の多い鎌倉駅の東側ではなく、地元の人や暮らしと距離が近く、海に隣接する「由比ガ浜エリア」に絞っていました。

この町で、それも不動産で事業をしていると言っても、いわゆる「よそ者」。シャッターを閉めたままの物件であっても、そんな者(会社)にポンと貸してくれる…訳ではなく、名も知れぬ新しい会社に貸すくらいなら、今のままでもいい――といった気持ちが働くのは当然のこと。「昔ながら」の商店街に溶け込むために、創業メンバーの福田和則(現・代表)と小川広一郎(現・役員)は、通りのキーマンともいえる米屋の主人と親交を温めながら、夏祭りの手伝いをすることもあったそう。「焼きそばを焼いて地元に顔を売る」というアナログ&リアルな「営業」活動の積み重ねもあって、創業から3年ちょっと経った2011年、空き店舗(元ジュエリーショップ)の持ち主に出会い、貸してもらえることになったのです。商店街の中にある単なる「オフィスの場所」ではありません。この通りの一員に混ぜてもらって、「地元」を名乗るスタートラインに立てたのです。

由比ガ浜で初めて構えたオフィス。写真左下の看板は、数回の移転後、現在のオフィス内にあります

その後も、冒頭の通り、オフィス拡張の際には、商店街の空き店舗をリノベーションして、通りに拠点をポツポツと増やしていきました。社員の増加に伴い、本社も商店街内で何度か変わり、今の場所に落ち着いたところ。本社と商店街内のオフィスの間を、パソコンを手に行き来する社員の姿も日常の風景に。オフィスは「大きなワンフロア」でなくてもいいし、「まちづくり」を手掛けているからこそ、日々の暮らしの「音」が聞こえる場所で働くのも悪くないのです。

オフィス=リノベ物件が当たり前のエンジョイワークス。現在も、この通りに3つの拠点があります

鎌倉に拠点を置いて10年余り、全国で空き家再生や空き店舗活用を展開する中で、自分たちが実践例になり、「地域」の目線に敏感でいることも大切だと感じています。事業と地続きの部分も少なくありません。私たちのオフィス兼カフェ(元魚屋のHOUSE YUIGAHAMA)は、かつて、地域の方が事業のアイデア出しをする「SUNSET MEETING」などのディスカッションの場にもなっていました。今もここは「ENJOY LAB(エンジョイラボ)」との名称で、地域で何かチャレンジしたい人、ワークショップやマルシェをしたい人に会員になってもらって、活動スペースを提供。スタッフやお客さん、会員さん、地域の人との混ざりあいの空間になっています。ビルの1室にある「オフィス」では実現しなかったことでしょう。この場所(由比ガ浜)だったから、私たちのいまの事業形態が生まれたと言っても過言ではありません。きっかけ・気付きをくれたのは地域の人たち。つまり、商店街で「育った会社」とも言えるのです。スタッフも海に寄って出社したり、地元の花火大会を心待ちにしたり。入社を機に鎌倉に移住した、という若手社員も少なくなく、「町に浸る楽しさ」も感じているようです。

空いている店舗に再び灯がともるのは「良いこと」かもしれないけれど、何になるのか、(店舗はどれくらい)続くのか、地元の人の不安はそんなところにもあります。日本各地で空き家・空き店舗の再生を手掛ける中で、街に寄り添う視点をいつも忘れずに、進んで行こうと思っています。

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株式会社 エンジョイワークス

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