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中銀カプセルタワー、解体から2年。新たな場所で、新たな存在感

Feature Project 公開日:2024.05.20

かつて銀座のまちなかで異彩を放った「中銀カプセルタワー」。大きな丸窓のカプセルが積み重なった集合住宅は2022年、惜しまれながら解体されましたが、全体140個のカプセルのうち23個が「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」の手で、黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと、修復されました。そして今、国内外の美術館や商業施設での展示や、宿泊施設やギャラリーとして展開する「カプセル新陳代謝プロジェクト」が進んでいます。

目にした人に強烈な印象を与えたカプセル。おおよそ10㎡のミニマムな空間に、当時(1970年ごろ)の技術の粋がたくさん詰まっていました。ユニットバスにベッド、専用に開発されたオープンリール式のオーディオ機器(SONY)、ブラウン管テレビ(SONY)、冷蔵庫(SANYO)、回転ダイヤル式の固定電話など最低限かつ最新の生活ができる「箱」。他の前衛的な建物とも一線を画する存在感がありました。それもそう。これを手掛けた建築家の黒川紀章は、日本第一号の「カプセルホテル」を設計した人。最低限の大きさで暮らす(過ごす)という独自のカルチャーを提示しました。建築に詳しい人のみならず、国内のみならず…関心のある人も多く、「その後」にも注目が集まっています。

この仕様は50年の時を経て「エモい」存在に。「コンパクトにする」技術は、日本独自に発達しました

まさに、銀座から全国へ!

2023年4月に株式会社淀川製鋼所が「動くトレーラーカプセル」に再生。それに続く形で、国内でいち早く常設収蔵されたのが、和歌山県立近代美術館。黒川紀章が手掛けた美術館という縁もある場所。ここでの保存展示を記念して、今年のGWには内部公開のイベントも行われました。同館では中銀カプセルタワービルの住人だった「コスプレ声ちゃんによるカプセルタワービルデイズ展」を開催中。*会期は6月30日(日)まで。解体と再生の様子に迫った写真展で、住人の貴重な目線が描かれています。
https://www.momaw.jp/information/2023kurokawa/
https://www.momaw.jp/exhibit/2024renewalopen/

また、5月25日(土)26日(日)に都内で開かれる「東京建築祭」では、松竹株式会社(東京都中央区)が、2023年秋に東銀座に開設したアートスペース「SHUTL(シャトル)」で2個のカプセルを特別公開します。時代を先取りした・時代を積み上げてきた建築物を巡る企画のひとつ。スケルトン状態のカプセルも見ることができます。
https://tokyo.kenchikusai.jp/program/00210/
同イベント実行委員長の倉方俊輔氏(建築史家)による事前解説動画もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=uJ_0DcJtgjA
*カプセルの解説は54:20ごろから

さらに、カプセルのユニットバスがINAX(旧:伊奈製陶)製ということから、修復したカプセルのユニットA1304が、株式会社LIXILの文化施設「INAXライブミュージアム」(愛知県常滑市)で展示されています。同社の企画展「なんとかせにゃあクロニクル―伊奈製陶100 年の挑戦―」の一環で、当時の状態の室内を見ることができます。*会期は2025年3月25日(火)まで。
https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/inaseito/

メディアでも話題、私たちのプロジェクト「泊まれるカプセル」

そうして全国でぽつぽつと出現しているカプセル。私たちエンジョイワークスが手掛けているプロジェクトが「カプセルヴィレッジ」。これまで紹介したカプセルは建築作品として「見る」だけですが、世界で唯一の「泊まれるカプセル」が、2024年秋、横須賀市の長井海の手公園ソレイユの丘に誕生します。5個のカプセルのうち、4個の内部デザインをクリエイター、アーティストに依頼する予定で、現在、公募も含めて選考中。「目覚めたとき、あの丸窓からどんな眺望を楽しめるのだろう」。自然の中に置かれたカプセルでの時間を楽しんでもらいます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000061795.html

近代建築史の中でもユニークで革新的、さらにはメタボリズム建築の代表格と言われた「カプセル」。一方で「少し時代の先を読みすぎた建築物」――とも表現される中で、見る・触れるリアルな機会が同時期に生まれています。なぜこんなにも、人は「カプセル」に惹きつけられるのか?

「時代や環境の変化に対して、建物自身も変化する」「建物自体はいずれ古びて無くなるが、思想は永遠に残る」という言葉を残したという黒川紀章。まさに、その通り、時代や場所、使用の形態が変わっても存在感を変えずに転生する姿から、今も、「建築とは」という投げかけを続けているのかもしれません。

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