「地方にこそ魅力がある」。ITテクノロジーの進化などによって、「地方」へ飛び出すハードルが低くなり、東京から地方に拠点を移したり、分散させたりする企業が増えています。ただ、依然として、日本の「人・モノ・お金」が首都圏に一極集中する様相はあまり変わっていません。特に地方の「地場」での「お金」の部分。“ローカルファイナンス”にはまだまだ、開拓の余地があるのです。
事業を動かす時の「資金」。どこでどう調達するのか?経営者にとって、頭を悩ませるハードルのひとつではないでしょうか。いわゆる“地方”での、人やモノを動かすビジネスの「お金」。どちらかと言うと補助金や地元金融機関からの融資などが中心…というのが現状のようです。貸す・借りるといった二方向の流れがメジャーで、「お金を循環させる」というスキームはまだまだ浸透していません。まとまったお金を得るための仕組みとして、クラウドファンディングなどの活用事例もありますが、「定型サービス」の域を出ておらず、資金調達の選択肢は広がっていないのです。
そんな現状に、新たな風を吹き込ませようとしている人たちもいます。まずは、どんな種類の「お金の循環」があるのかを知る、学びの場を設けました。香川県三豊市・観音寺市を中心に、年齢や職業に関係なく瀬戸内での暮らしを豊かにする学びを提供する「瀬戸内・暮らしの大学」が、ローカルファイナンスを学ぶ講座を企画。これは、香川県内外18の事業者によって立ち上げられた市民大学で、地域全体をキャンパスに見立て、「はじめてのゲストハウスオーナークラス」「まちづくりプロデューサークラス」「財務戦略MG研修クラス」といったまちづくりの人材育成系から、「人に伝えたくなる琴平学」「地域での新しい農業との関わり方・半農半Xクラス」など、さまざま講座を用意しています。その中で、地域経営者向けに設計されたのが、「ローカルファイナンス」を学ぶ場なのです。
内容は、NFT(Non-Fungible Token = ⾮代替性トークン)や不動産のオフバランス取引(証券化)など、最新の金融スキームを学べる全4回。現代のビジネス環境で求められる革新的な金融戦略を習得し、地域経済の活性化に貢献する知識と技術を身につけることができます。また、経営における「決算書のとらえ方」を改めて学べる回も。実際の決算書を見ながら、今の自分たちの会社の置かれている現状を把握します。
また、地方企業で顕著な社員の高齢化や事業承継など、喫緊の課題についても専門家が解説。同族経営の良さを生かしつつ、社員が長く同じチームでモチベーション高く働ける経営手法、いわゆる「ホールディングス化」のノウハウも聞くことができます。
地域の社会的課題解決に向けたプロジェクトに充当することを目的とした資金調達手段を「ソーシャルファイナンス」と言いますが、「ローカルファイナンス」は、より地域に循環・浸透していく「お金の流れ」の仕組みと言えるかもしれません。それには多様な手法があり、これらを知ることで、新たな事業への「チャレンジ」のハードルも低くなるのではないでしょうか。講師は、地方創生、事業承継のコンサルティングを行う税理士やブロックチェーンの技術を使ったトークンプラットフォームの事業者、デジタル証券を手掛ける信託銀行マン、地域プロデュースを展開するプロダクトデザイナーなど多彩なラインナップ。これからの地域創生に関わるお金のヒントが詰まった講座です。「地域経済の活性化」に不可欠な知識と技術を身につけ、持続可能な発展を実現するための戦略を横断的に学んで、実践につなげてみませんか。
【瀬戸内暮らしの大学】
地域経営者向けローカルファイナンスクラス~NFT、FT、トークン、不動産のオフバランス、資金調達の形~【全4回】
第1回5/16(木) 14時~16時 ローカルファイナンス入門 – 地域経営者のための基礎知識
第2回5/22(水) 14時~16時 NFT・FT・暗号資産・トークンの活用 – 新時代の資産形成とビジネスモデル
第3回5/29(水) 14時~16時 不動産のオフバランス取引 – 地域資産の革新的活用法
*第3回はエンジョイワークス代表の福田和則が登壇します
第4回6/3(月) 14時~16時 スタートアップ投資とホールディングス化
詳細は「瀬戸内暮らしの大学」の講座ページより
https://kurashinodaigaku.jp/class/local-finance202405/
*すべてオンライン受講可能です