「地域価値を共創」――。言葉だけではちょっと難しく感じますが、平たく言うと、「業種を超え、さまざまな関係者と共に地域づくりやコミュニティづくりに取り組み、新たな地域価値を共創する」こと。国土交通省では、これを掲げた「地域価値を共創する不動産業アワード」を2022年秋に創設しました。
今年(2023)3月、その第1回の大賞を受賞したのが、私たちエンジョイワークス。地域の空き家や遊休不動産の課題解決につなげる参加型まちづくりのプラットフォーム「ハロー! RENOVATION(ハロリノ)」の取り組みが評価されました。特に、まちづくりに不可欠な資金調達に、「まちづくりファンド」を導入・運営し継続的な事業に展開していること、地域におけるさまざま関係者を早い段階から事業に巻き込み、関係人口を広げていることに注目いただきました。国の機関から賞を頂くのは、とてもとても名誉なこと。2018年のハロリノ立ち上げからコツコツと積み重ねてきた「みんなでまちづくり」の仕組みを、多くの人に知ってもらう良い機会となりました。
この賞が創設されたのには、こんな経緯があります。主催する国土交通省は、コロナ禍を経て人々の生活様式が大きく変化していく中で「各地域に住まい、集う『ひと』に着目し、『くらし』に関わるあらゆる産業分野や地域コミュニティデザインの担い手と連携しながら、地域の新たな価値や可能性を創造していくことが求められている」と考えました。そして、不動産業・賃貸住宅管理業を「社会に必要不可欠なクリエイティブ産業」と位置付けたのです。私たちの業界は今や、不動産売買、売買・賃貸仲介などを行う「だけ」ではないのです。
エンジョイワークスも、不動産仲介から始まり、建築設計、古民家や空き店舗を活用した場の創出、そして「ハロリノ」を使った遊休不動産の課題解決…と、気がつけば、さまざまな人たちと連携しながら「ひと」と「くらし」に関わり、「まちづくり」の輪を築いてきました。そして「共創」の仲間は、地域住民・不動産業者・投資会社・事業会社・金融機関・地方公共団体など、大きな輪へと広がっています。アワード賞の「地域価値を共創」というテーマは、私たちの取り組みそのもの。そのための仕組みを、今も少しずつ積み上げています。
この受賞は、2023年を振り返ると、私たちにとって一番大きな、インパクトのあった出来事でもありました。第1回のアワードでは、ほかに「老朽築古物件リノベマッチング事業」「住居専用地域内バスターミナルのコミュニティーハブ化事業」「クリエイティブ・ビレッジ構想」などの事業者が受賞しています。新しいアイデア、仕組みを生み出そうとしているこの業界を、国をあげて応援・注目してもらえるのは嬉しいこと。第2回の発表は来年の3月ごろ。「社会に必要不可欠なクリエイティブ産業」の可能性は、まだまだ広がっています。
「国土交通省 地域価値を共創する不動産業アワード」ホームページ
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/kyousou_awards/grandprize/1st/index.html
◆エンジョイワークス役員の松島が、2024年1月11日(木)に開かれる「不動産特定共同事業の活用に向けたオンライン推進セミナー」に登壇します(国土交通省主催)。不動産特定共同事業の仕組みを活用した「ハロー! RENOVATION」について事例を挙げながら解説します。
セミナー詳細 https://enjoyworks.jp/news/25221/