株式会社エンジョイワークスが運営する神奈川県葉山町の「平野邸Hayama」が、国の有形文化財に登録されることになりました(2023年11月24日文化審議会答申)。同施設の竣工は1936(昭和11)年。材木商が常住の住宅として建築した日本家屋です。弊社では、現所有者から活用についての依頼を受け、この場所を地域拠点として再生するため、暮らしや生き方を豊かにする多世代交流の場づくりをテーマにした「日本の暮らしをたのしむ、みんなの実家」プロジェクトを2018年にスタート。NPO法人「葉山環境文化デザイン集団」や一般社団法人「はっぷ」など葉山を中心に活動する団体や近隣住民の方々などとコンセプトづくりを行いました。共感型の不動産投資ファンド、ハロー!RENOVATIONを活用し、「葉山の古民家宿づくりファンド」による投資を募り、改修後の2020年4月から、「平野邸Hayama」の名称で運営しています。
現在は、「都心に近く、いつでも行ける田舎」「みんなの実家」のコンセプトに、年間で延べ2000人以上の方に利用いただいています。日中は、葉山町民を中心とした地域の方の交流拠点、夕方からは宿泊施設という活用で、さまざまな人たちの「混じり合い」の場となっています。
登録有形文化財の基準には、所有者に保存の意思がありかつ建物調査によりその価値が認められる、ということに加えて、①歴史的景観に寄与している②造形の規範となっている③再現することが容易でない、といった条件があり、平野邸は②に該当しています(正式名称:旧平野家住宅主屋)。国登録の文化財となることで、地域に根付いている建物を預かる重みを感じながら、さらに多くの方々に利活用いただける場となるよう運営を進めていきます。
葉山地域では戦前(~昭和初期)の建物がこの20年間で、800棟以上から200棟ほどに減っています。エンジョイワークスとしても、古民家活用の事例の一つとして発信していくほか、地域の特性や建物の意匠を活かした開業・運営サポート事業をさらに強化していきます。
文化庁による答申資料(2023年11月24日付)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93969901_03.pdf
平野邸Hayamaホームページ https://hiranoteihayama.com/