色のはなし

色のはなし

突然ですが、「怒り」という言葉を聞いたとき、何色を連想しますか?
多くの人は「赤」ではないでしょうか。
みなさんが普段お使いであろう絵文字でも、怒っている顔のイラストは真っ赤になっていますよね。怖い顔をした鬼は赤いし、後ろに炎を背負った不動明王も体ごと赤いです。
喜と楽は結構人によって違う気もしますが、怒と哀はそれぞれ「赤」と「青」を連想する人が多いんじゃないかと思います。

春夏秋冬もなんとなく共通認識がありますよね。

イベントごとはどうでしょうか。
例えば最近ぬるっとあったんだかなかったんだか、ハロウィンはおばけ、夜、ジャック・オ・ランタン、コウモリ、と、配色はこんなかんじ。

クリスマスはサンタクロースの服と、髭や雪の白、ツリーの緑でこんなかんじ。

お正月と言ったらめでたい赤と金と鏡餅の白。

このように、実際の物の色を元にしたりしながら、人々は色自体にイメージを持っています。

実は色彩調和論は、古代ギリシャ時代からすでに存在していたそうです。日本においては6世紀頃、中国から「陰陽五行説」という思想が導入され、「木、火、土、金、水」の五元素を「青、赤、黄、白、黒」と「春、夏、土用、秋、冬」と対応させ関連付けていたのだとか。

上記のように、イベントごとなんかだと配色は結構イージー(ベタとも言う)なのですが、普段デザイナーは、もっと曖昧なキーワードをもとに配色をしなければなりません。

例えば「オシャレ」。
おしゃれな感じで、とだけ言われて、1発で依頼者のイメージを当てられるデザイナーがどれだけいるでしょうか。「いやいや難問すぎるんで(笑)、もっとヒントくださいよ」と食い下がっても「おまかせで」なんて言われたら、「(当てるまで何十パターンつくらなきゃいけないんだろ・・・)」と心のなかでは泣きますよね。

そうならないために、制作に入る前には、なるべく多くのイメージやキーワードを引き出して、そしてまとめて、合意を得なければいけません。

でも、スタンダードな配色というのはある程度決まっています。

例えば「ナチュラル」であれば

「ポップ」であれば

「メルヘン」は

或いは「男性的」であれば

「女性的」であれば

「でも、この色好きじゃないんだよね」でNG、みたいなことがたまにあるんですが、冒頭からずっとお話しているのは、デザインとはアートや芸術ではなく問題解決のためのツールであり、「人々の気持ちに寄り添う」もの。
「多くの人が共通して持っている色に対するイメージ」がこの世に確かに存在している以上、ペルソナやターゲットを明確にし、効果を狙おうとしているのなら、製作側のエゴや好き嫌いより優先すべきものがあるということです。

日がな一日パソコンに向かって眼精疲労と肩こり腰痛と戦う仕事ではありますが、デザイナーとは、実はずっと人間のことを思いながら働いています。笑

本日はこのへんで。

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